「自由の哲学」ルドルフ・シュタイナー著 高橋巌訳
自己認識、世界認識の基本中の基本である思考そのもののを透徹した「純粋思考」で考察した「思考による思考の秘儀」の著作
今日に於いて最も明晰で稀有な基本的哲学考察著作でありながら、殆んどといってよい程看過され続けられている。
この著作には透徹した思考による概念そのものが求心と遠心不可分のまま生きた言葉・言霊となり活動している。植物が成長していくように生命力に満ちた生きた思考で読者を思考の実体である神的叡智へと導く。
シュタイナーに影響感化された人物はこの最も基本的で底知れぬ深みを宿した内容を血肉化するのは必須であろう。
自他称哲学者・的思考の存在達がこの著作を読み、稚拙と感じるのは当人の鈍さによるものである。
ここに書かれた内容は通常の個人的思考においても読み解かれる内容でありながら、個人を超える内容を含んでいる為に殆んどが途中で難破、混乱する。
章が進む毎に概念自体が変容するという事が実体験されていないからである。
さらに言えば、読み解けぬのは芸術的感受性の貧困さと、思考の鍛錬の不徹底、個人のプライドが不快感となるからである。
後、300年から500年位経なくてはは理解されぬであろう。
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