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早朝白露

昨日の夜は夜更かしだったのに、今朝方早くに目が覚めました。
小さい音がしていたから。
ほの明るくなってきた窓に、ブン、ブン、とぶつかる音。

我が家は窓に対しての網戸の数が圧倒的に足りていないので、閉め寄せを怠った夜には室内の灯りめがけて来訪者が増えます。
蝉とカトンボ以外はへっちゃらなので、気付かないうちに居候を許していたり。

「カナブンよりは小さいしやわらかい音だな」
「夏場のカメムシほど節操のない暴れ方ではないな」
ぼんやり音を聞いていたら目が覚めてきてしまって。
もそもそと起き出しました。
外に出たがっている主は発見できなかったものの、少し窓を開けて、さてこんな朝早くから何をしようかとしばし思案。
空気も爽やかなので、北野天満宮にでも散歩へ行こうと思い立ちました。

外へ出てみると、まだ太陽の元気さは発揮されていなくて、ほんのり肌寒く感じるくらい。
誰もいない上七軒をゆっくり進み、天神様の参道をのんびり歩いていると、猫、子猫、子猫、猫。

開門前の楼門に礼をして、お腹も空いたし帰ろうかと思いつつ、すっとした朝特有の空気が気持ちよくて、お散歩続行。
情緒が空腹感に勝つとは、私も大人になったものです。

気ままに歩き続けて、北野天満宮の裏手にある平野神社へたどり着いていました。
桜の名所の平野神社。
梅のしるしの天神様と、桜のしるしの平野神社。
威厳たっぷりの天神様とは対照的に、こちらの境内はふんわり女性的な雰囲気で、ふと今朝の目的地はここだったのかもなと思いました。

ところどころにもう彼岸花が咲き始めていました。
ピンクの彼岸花、初めて見ました。
毎年この花を見て、季節の正確さに驚かされます。
日中暑くても、確実に秋が来るんだな。

帰宅して、今日から白露に入ったことに気付きました。
何かに図られたかのようなキリの良さ。
私自身の生活も、秋に切り替えていきます。

洗濯が終わるまで寝そべって本を読んでいたら、頭のてっぺんがくすぐったい。
む?と思って頭を振ったら、小さい小さいカメムシがきゃっ!と畳に落っこちました。
外に出るのはあきらめて、私の頭の上でひとやすみしてたのか。
夏の威勢の良さのない、小さいカメムシ。

窓から外に出したらブーンと飛んでいきました。
空が高くなってきましたよ。


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