どうしても手書きでトーンをやりたかった男(追記あり)
どうしても手書きでトーンをやりたかった男。
何を隠そう、それは当方である(._.)
…まあここ読むような人はだいたいお察しの通りですが…
楽しくペンの練習をしていて、ずっと心に引っかかっていたのは、トーン仕上げのことでした。
当方、デジタルトーンがあまり好きではないのです。
ドットがハッキリ出過ぎて、削っても自然な仕上がりになりにくい気がして。絵柄にもよるのでしょうが、どうも肌にあいません。なのでトーンはあんまり使わず、ポイントにベタ貼りのみという
デジタルの恩恵を全く受けない描き方
に終始していました。
ただアナログでトーン仕上げをするのはまたお金もかかるし、なにより
手と肩がイタイ(^_^;)
(疲れるんですよwこんなんやると)
ハテどうしたもんかのうと懸案でありました。
…最近は、もうトーンのことを考えるのはやめて、コピックだの筆だので色塗り遊びに興じていた当方ですが…
窮すれば通ず、昨日ヒラメいた。
このブラシで塗ったものをドットにすりゃあいいんでないか。
早速やってみました(._.)
こういうのを、
こうしてみる。うん、苦しいけどドットにはなっています。
どうも、墨が一番キレイにでているようだ…それで昨日つぶやきました。
フォトショップを使う方ならお分かりでしょうが、
1、グレースケールでスキャン
2、モノクロ2諧調に変換(数値は任意・上のは300画素の円60)
するだけです。
この機能は写真をドット風にするのに使えますが、描いたものもドットにできる…ただマンガ原稿にこの処理をすると線画部分までドットになってしまうのです。そのままは使えない。なので、
アナログトーン貼るみたいに、墨の着色だけ別の紙でやったらどうか?
思い立ったらガマンできぬ当方、早速やってみたのでした。
まずテケトウに1ページ描いてみる。
ペンも入れてミル。(先日のひとわけいぶきさんの記事に申し訳ないほど当方は下書きをしない人間です(^_^;)…参考↓)
かけたら、ベタまではやってしまって、クリアファイルにいれる。
別の紙に薄墨で「トーン風」に色を付けてみます。トレス台の出番です。
薄墨でぬりぬり。
あ、当方昨日はじめて薄墨を使ったので、塗りがヘタクソなのは見て見ぬふりをするのが礼儀です(._.)
(スミマセン、練習します<(_ _)>)
んで、線画の原稿と墨塗った紙を別々にスキャンします。
墨塗った方を前述のグレー→モノクロ2諧調でドット(トーン)に変換。さらに原画の上に載るように、グレースケールに戻し、描いてない部分を透明化してpng保存します。
↑こういうのは面倒なのでアクション登録しましょう(笑)ボタン一発ですから。
左上の空の一部分。ちゃんとドットになっているのがおわかりでしょうか?
んで、原画に乗っけてみる。
…あ、すごい手描きっぽい!
といって、もともと全部手描きなんだからアタリマエだ(笑)しかしこれなら、薄墨が印刷でどう出るか心配する必要もなく、カッターでゴリゴリ高価なトーンと体力と肩の軟骨を削る必要もありません。
工程を描きだすとメンドウなようですが、
今までやったどんな方法より速い
です。筆でトーン塗ってるようなもんだから。
墨の濃さを変えればいちいち61だ65だと分けなくていいし、重ね貼りやグラデーションも筆でできる。
なにより
技術が「手」の方につくので筆に慣れる
ことができる。(デジタルやってて悲しいのは「これソフトの機能がスゴイだけだよな」「このソフト終わったら自分に何が残るんだ」という寂寥感なのですがw…それがない)
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まあ、デジタルで気になることのない人や、完全アナログでいくと決めている人には何の益もない記事ですが(笑)
これで当方、ペンと筆のみ、デジタルトーンは使わずに
ぜんぶアナログで描いて印刷も心配ない方法
をついに見つけることができました(^_^;)
薄墨トーン法の第一作は、こちらです(._.)
画面の明るさやドットの大きさ、筆自体の練習などまだまだ工夫の余地はいっぱいありますが。
とにかく今日は嬉しいのでした。
…ではお粗末様でした<(_ _)>
★紙の本を作りたい方に・けっこう重要な追記★
上記の方法は、あくまで「雑誌のような粗い紙に印刷しても大丈夫」な安全策です。
ネットに発表する(モニターで読む)のはもちろん、
同人誌として印刷する場合でもここまでする必要はありませんです。
高石アサオさんの記事にも触れられていますが、
原稿にじか塗りしてグレースケールに変換するだけでも、同人誌ならちゃんと印刷されます。つまりこのように、
原稿に薄墨やコピックなど、とにかく濃さの違いがわかるくらいの色でもう直に塗ってしまう。ちなみにこの色はダ○ソーのアルコールマーカーです。
それをスキャンしてグレースケールにすると、
こんな感じ。アナログで言えば50番から60番くらいの濃さでグレーになっています。アナログトーンみたいな点々(ドット)ではないですが、同人誌のモノクロ印刷ならこれくらいちゃんと出してくれます。
それは、浅野さんの本買って確かめました(^^)
これは本文もカラー用の印刷を使っているそうですが…今の同人誌は紙も発色もいいですね。この本なんか当方が出版社から出した本より紙がいい(笑)
グレーの色合いくらいは楽勝で出ます。よっ…ぽど薄い色が飛ぶくらいでしょう。
要するに雑誌の印刷ってメチャクチャ粗いのですね(^_^;)
当方マンガアシとして「雑誌印刷に出ない描き方」は避けるクセがついてますが、同人誌ならもっと自由にやって大丈夫でしょう。
あと原稿にじか塗りするともうひとついいことがある(._.)
原稿用紙に余計なシール(トーン)がついてないので、安心してコピー機の「紙送り連続スキャン」にかけられるのです。
…もうここまで来ると「しねーよそんなこと」と思っている人が大半でしょうが…ページが多くなると、スキャンもホネなんですよ…(^_^;)
…では追記を終ります<(_ _)>