消せるものなら消したい想い
自分では他意のない言葉でも
他人はしっかり覚えているもので
「そういう意味じゃない」と弁解の余地なく
取り込まれて、今後の関係が決まる
消化器官は、基本、必要なものだけ取り込み
不要なものは大腸へと送り出され排出する
ざっくり話すと、ものを食べれば食道から胃へ
十二指腸の施しから小腸で栄養を吸収する
それは耳から脳へ伝達するのと似ている
ただ、耳から伝達されて記憶になれば
腸管と違い、排出はしない
飲食物は腸管を抜けると排出されるが
言葉が脳に伝達されると
なかなか消えてくれない、特に悪いことは
脳みそが消しゴムで出来ていたら
都合が悪い部分を消すことができたなら
どれだけ幸運だろう
ところで
今、私の中で燻る想い
誰にも言えない想いは、苦しい
いっそのこと腸管から追い出すか
脳みそに手を突っ込み、消しゴムで消せたら
この想いをさっぱりなかったにできるのに
叶わないものは要らない、つらいから
思い出も何もない、ただの胸の中にある想い
腸管や消しゴムの助けがないのなら
早く何かで上書きしたい
だけど、そう簡単に消えるなら
こんなに好きになってなかった…