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初対面4家族で神戸へ家族旅行。下町暮らしで感じた境界がなくなり、味方を増やす子育て【子育て】

先日、オンラインコミュニティメンバー4家族で拡大家族をテーマに神戸へ家族旅行をしてきました。その旅行で感じたことを何回かに分けて振り返っていきます。

https://note.com/um32um/n/n24ab59d3b77d

今回は旅行の経緯と、ゲストハウスとまりぎさんの感想、「気がゆるむ」「境界があいまいになる」感覚についてです。

「神戸市新長田地区って聞いたことはあるけどどんなところ?」「下町暮らしどうだった?」「複数家族で子連れで旅行って楽しいの?」といったことが気になる方におすすめの記事です。



⚫︎旅行の経緯 ほぼ初対面の人たちと家族ぐるみで旅行するという挑戦、やってよかった


きっかけは、オンラインコミュニティで行われた、「家族以外の子育て仲間をつくるコツ」というイベントで、小笠原 舞さんの活動を知ったことでした。

舞さんはもともとasobi基地を運営されており、さらに現在は、神戸市新長田に移住され、長屋のゲストハウスを運営されています。

イベントで、実際に「地域ぐるみでの子育て」を実現されている様子を紹介していただき、「ぜひ新長田に行きたい!下町での子育て・地域ぐるみの子育てを体験したい!」という気持ちを抑えられず、行かせていただくことになりました。

オンラインコミュニティメンバーに参加者を募ったところ、核家族に疑問をもち、「どうやったら家族以外と子育てができるか?」「複数家族で旅行する体験をしてみたい」という4家族(大人6人・子ども4人)が手を挙げてくれました。

リアルで会ったことがあるのは、数名のみで、ほぼ初対面の人と全国バラバラな場所から新長田に集合し、しかも3泊4日家族ぐるみで行動を共にする!
というなかなか挑戦的な旅だったと思いますが、行って本当によかったです。

同じ理念に共感しているオンラインコミュニティメンバーであり、かつ、こういった旅行にチャレンジしたい!という精神も共通していたからか、お互いの価値観や生活を押し付けることなどは全くなく、滞在中、深い話ばかりして、本当に楽しかったです。

子どもも親も楽しみ、成長できましたし、今後も子どもも一緒に色んな家族と旅行してみたいな、と思いました。

⚫︎宿泊場所 大人も子どももほっと気がゆるむ長屋の ゲストハウスとバー

滞在中は、舞さんが営む新長田のゲストハウスとまりぎ さんに宿泊させていただきました!

下町ゲストハウス とまりぎ ‖ Cafe&Bar SAKAZUKI

このゲストハウスが本当に最高でした!
扉を開けた瞬間から感じる、ほっとできる長屋の雰囲気、みんなで話してご飯を食べるのにちょうどいい大きさのちゃぶ台。子どもが大喜びのおもちゃの数々。

家の前には路地があり、子ども達は常に「家の前に帰りたい」と大人気。子どもを家の前で遊ばせながら、大人達はまったり、がっつり語り合うことができました。

この路地が、いいんです。
2歳の子どもや小学生が勝手に遊んでいても、なんとなく声が聞こえて雰囲気が分かりますし、子どもも何かあれば家の中に親がいることがわかっているので安心して遊んで、喧嘩して、時には半泣きで家に戻ってきます。

家の中でもなく、公園でもなく、児童館でもない、けど、子どもも大人も自然体でいられる、「境界があいまい」な空間。家の中と外、外遊びと家、日常と非日常の境界が溶けていきました。

そして、町全体の雰囲気からも、境界線が引かれない、「境界のあいまいさ」を感じ、安心感があることで「子どもをちゃんと見ていなきゃ・楽しませなきゃ」と張っていた気が、ほっとゆるみました。そのおかげで自分自身や夫婦のこと、これからやりたいストレッチゾーンに向き合うことができました。

さらに、隣には舞さんのパートナーさんが営む、超絶オシャレで美味しいお酒とごはんを出してくださるCafe&Bar SAKAZUKIさんがあり、22時までゆっくり飲み、語りました。子連れでバーに行ったり、夜遅くまで飲み語ることは諦めていた中、子どもを遊ばせたり、膝で寝かせながら、思う存分話すことができて、何よりのデトックスになりました。

⚫︎震災を経て下町文化の残る、なぜか「安心する」新長田の町

初日にゲストハウスのオーナーさんに新長田の町を案内していただきました。

銭湯や喫茶店、美味しいお惣菜屋さんが立ち並ぶ商店街の紹介や阪神・淡路大震災からの復興の歴史、国際的な交流ができるコミュニティスペース、商店街と共存している駅ビル、子どもも含め多様な人が舞台を楽しめる劇場、震災の時燃えずに残り今も地元の人に愛される丸五市場など。


何より、町を歩きながら、オーナーさんが日常として町の方と挨拶+一言お話をされながら歩く様子に、お互いへの関心と「ゆるい繋がり」を感じました。

これは東京でも松本でも感じたことのない不思議なもので、自分と他人との境界、自分が勝手に作っていた壁がとっぱらわれていく感覚があった気がします。

初日にこの感覚を味わったおかげでその日から、「新長田で暮らす」ことができました(その後訪れた神戸在住の友人に我が物顔で町紹介をしました)。

⚫︎3泊4日の”下町暮らし” 「気が緩んで境界がなくなる」感覚

もとは3泊4日のうち1日は、THE神戸観光にあてようと思っていましたが、結局1家族がクルージングに行った以外はほぼ新長田の近くで「暮らして」いました。朝7時の喫茶店モーニングに始まり、日中はゲストハウスのちゃぶ台を囲み、夜は22時までバーで声が枯れるまでしゃべり倒しました。

ゲストハウスのほっとする長屋の雰囲気と、子ども達がのびのびと遊び、親達はゆっくりとおしゃべりできる路地を堪能しました。

近くの銭湯に入って、徒歩圏内にある商店街で美味しい惣菜を買って、みんなでちゃぶ台を囲んでごはんを食べる、”暮らし”そのものに力が抜けるのを感じました。

ゲストハウスの前の路地でおしゃべり


さらに、複数家族で行くことで、家族でもない親戚でもない人に子どもを預けられる関係性、安心感を体感しました。

下町の雰囲気とあいまって、みんな気持ちが緩んで、境界がなくなっていく感覚。

そのおかげか、私たち夫婦のことを振り返り、他の人に自然に話すことができました。

きっかけは

「2人は、すごく密にコミュニケーションをとって、いいパートナーシップを築いているように見える。最初からそうだったのか?」

と聞かれたことです。
そう聞かれて、私たち夫婦の黒歴史を思い出しました。意見を否定されて険悪になったデート、リアルに離婚を想定した育休期間など。

一度離婚を想定したことはお互い自分の家族にしか話したことがなく、初めて他人に話して、初心を思い出しましたし、これを話せる関係性になっていたことに驚きました。

「もはや家族」だったからこそ話せた、不思議な感覚でした。


⚫︎旅行の感想と帰ってからの変化。みんな子育ての味方と思ってみる

新長田では、子連れ旅行という非日常のはずなのに、「ほっと気が緩む」「境界かあいまいになる」、不思議な安心感を体感しました。

その後松本に帰ってきてから、私たち家族には大きな変化がありました。「周りの人もみんなが子育ての味方だ」と思えるようになったのです。

今まで、心のどこかで、「子どもは人に迷惑をかける存在だから気をつけなければいけない」
と思っていました。

ですが、この体験の後から「みんな子育ての味方だ」と思ってみることができるようになりました。

帰ってから商業施設に行った時のことです。イヤイヤ期まっただなかの息子が歩きたくないと床で大の字で泣き始めました。

今までであれば、その状況に、「周りの人にどう思われるかな。迷惑かも。早くどうにかしなきゃ」と焦って抱っこしたり無理やり連れて行っていたと思います。

でも、今の私たちは「周りはみんな味方」の最強の状態なので、「周りの人はあたたかい目で見てくれている。なんなら心配してくれている。大丈夫」と思い、息子が自力で落ち着くのをゆっくりと待つことができました。

他にも、向こうから返事があるか分からなくても、挨拶してみたり、ご近所さんとの会話でも「自分はあなたの味方です」というのを自分たちから表明することを意識しています。

みんな味方だと思うと、世の中が明るくなった気がしました。


きっと日々の生活に追われるとこの感覚は薄れてしまうと思うので、また時々長田に「帰り」、思い出したいと思います。

ぜひ、興味がある方や何かに迷ったり、なんとなく行き詰まりを感じている方は長田に行き、とまりぎさんに泊まってみてください。

自分が自分にかけている制約や線、壁は「とっぱらうことができる!」という感覚を、町全体の空気から体感し、持ち帰ることができるはずです。

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