脱・高GI食品依存
食事改善は個人の体質や生活習慣に依拠するため、あくまで個人的な話ですが、今回は、病気になった私がかなえさんのコンサルで白い精製物注意(砂糖・小麦・白米を控える)となった話を粒度を上げて、基本の考え方や、参考になったレシピ本と共に紹介します。(前回の記事はこちら)
そういう基本方針を提案されたものの、子供の頃から白米とパンを食べて育ってきているし、白砂糖をふんだんに使った和食にも慣れていて、いまさらそれが良くないと言われても急には頭が切り替わりませんでした。
必要な量の糖質は他の野菜や肉からも十分にとれている、糖質過多だと言われても、それで太ってるわけではない(やせ型です)し、ジャンクフードたべつけているわけでもない(外食こそ多いけれど、まあまあいいものを食べてた)から自分は健康だと思っていました。
まあ、そこが自覚出来ずに病気になったからプロに相談したのですが。
Q1. 和食は健康にいいんじゃないの?
和食は色々な素材の味を生かすと言いつつ、人気のレシピ本でも、ネットに出回っているレシピでも、和食にはお砂糖がつきものですよね。
清涼飲料水や洋菓子に比べたら随分少量に思えはしますが、意識してみると、和食ってなんでもかんでも砂糖を使うことに気が付きます。
そこで、本来の和食の考え方として私が凄く納得したのが(前もどこかで紹介した気がするけど)料理家の土井善晴氏の「一汁一菜でよいという提案」という本。ざっくりその論旨を紹介すると(今、手元になくて記憶で書いているので言葉は正確ではないかも知れません)
脳が喜ぶ食事と体が喜ぶ食事は違う。脳は騙されやすく、香ばしい匂いとか甘い味に依存してすぐにそういうものが欲しくなってしまうが、本当にあたたまったり、力が出るような「身体が喜ぶ食事」は、それとは違う。
日本人の料理には本来「ハレ」と「ケ」の区別があり、普段の食事はケの料理だった。ご飯と味噌汁と肴が一品あればよく、それが身体が喜ぶ食事。おせちのようなハレの料理には砂糖をふんだんに使うが、それは特別な日のごちそう。現代はそのハレが日常に入り込み、めりはりが失われている。
なるほどなあ、と納得して改めて砂糖なし調理を始めてみると、お出汁や味噌や酢をうまく使えば十分美味しいご飯がいろいろできることが分かりました。2~3か月かけて習慣を手放したら、もう砂糖いらない感じになりました。
キビ砂糖や黒砂糖で代替する必要さえないです。そういうのも白砂糖よりGI値は低めですが「ないとおいしくない」って言うのは慣習的な思い込みだと気づいて…使わなくなりました。甘さが欲しい時ははちみつを少し使います。
Q2. 小麦は国産ならいいんじゃないの?
それから、最近は良く「小麦は国産がいい」って説を耳にしますね。
いくつか論点があるのですが、一つには、輸入小麦は輸送過程で虫よけのポスト・ハーベストをたっぷりまぶされていてグルテンに残留農薬が多く含まれるという話が有名です(有名ですよね?)。日本はそのへんの規制に出遅れているから(米国との力関係で言えないのかも?)というのが私の理解です。
当局は積極的に対策している事実があるなら是非教えてい欲しいけど、今のところ、自衛の必要を感じてこういう情報を気にしています。
それよりは素性の明らかな国産小麦は安心かなって思うのですが、ただ、病気持ちの身にしてみれば、農薬問題はなくても「精製されててGI値が高い(血糖値を急上昇させる)」という意味では小麦は小麦。だから小麦を避けようとしたら外食できなくなったって話は前に書いた通りです。
小麦も砂糖も使わない自炊なんてどうするの!?(ただでさえ料理音痴なのに)と絶望しかけていた時、かなえさんがおすすめしてくれたレシピ本に助けられました。大橋由香氏の「ストウブ&無水調理でおいしい!ふだんごはん」。
シンプルな味付けで美味しい料理って簡単にできるんだ!という驚き。カレールーって買わんでいいのか!という驚き。ストウブの鍋とともにもう手放せません。子供の食品アレルギーに悩む母ちゃんにも超お勧めです。
ちなみに、コロナの影響で小麦がスーパーの棚から一掃され、色んな種類の米粉が並ぶようになったのは嬉しいです。やってみたら、米粉でだいたいなんでもできます。ほんとに。
振り返ると、砂糖以上に小麦を抜くのは大変でした。でも、その効果の体感も砂糖以上だったような気がします。
Q2. 白米は何がいけないの?
さて、パスタやうどんを食べなくなった分、主食のお米はむしろ多く食べるようになりました。ただ、GI値の高い(糖分が吸収されやすい)白米だけで食べることは控え、毎回1/4くらいは無農薬玄米を混ぜて炊くようになりました。それで他のミネラルと鴨同時摂取できて、バランスも改善され、血糖値の急浮上が防げます。
消化の良い(=GI値の高い)白米はやわらかくて子供にも食べやすいので、全部切り替えはしませんが、気分を変えたい時は玄米の代わりに雑穀やキヌアなど、必ずなにか混ぜて炊きます。小豆を10分くらい下茹でして、一つまみの塩を入れて炊くのも美味しいです。
ちなみに、意識高い系飯炊(と、勝手に命名)の頂点に君臨する「発酵玄米」というごはんがすごくおいしいんです。私は人にもらって食べたことは何回かあって毎回感動するんだけど、何日も炊飯器の中で発酵させるというプロセスに及び腰で、まだ自分で作ったことはありません。
まとめ
私の食事法の基本とは、要するに①和食は砂糖を抜いて酢や味噌を活用。②小麦は国産なら農薬問題は比較的軽いけど、GI値の観点からは食べすぎないよウに注意。③精製白米もGI値が高いので、玄米や雑穀を混ぜて炊く。
あと、体質的に食べると露骨に響く豚肉は(ハムやソーセージも)極力控えるとか、味噌汁・野菜から食べ始めるとか、他にも細かいことはありますが。
改めてみると、砂糖も小麦も白米も、人間が食べやすく調理しやすいように加工された知恵の産物なんですね。GI値が高い=パッと元気が出る感じもするので、そりゃ、依存しちゃうよね。
GI値の乱高下が人体の機能低下に働くということは科学的に証明されている事実です。この感じはやってみないと伝わらない気もするのですが、私は劇的な体調の改善を実感しました。手術前はかつてなく体が軽くなっていたし、術後のホルモン療法の副作用である肩こりや浮腫みも以前のほうがむしろ酷かった。太りやすくなるとも聞いてビビっていたのですが、今のところベスト体重で安定しています。
これからやってみようかなという方は、3カ月だけ、脱依存のためにストイックに取り組んでみてください。そこを抜けたら自分でコントロールできようになります。
私も今は、時々勧められたら甘いモノを食べたり、外食でパスタを食べたりもします。楽な方に流れる性(さが)のある人間なので、毎日食べたものをログして時々その頻度を確認することは続けてます。
冒頭にも書いた通り「何を食べたらいいか、あるいは避けるべきか」は個体差が大きいし、健康な人はここまでやる必要はないのですが、この飽食の時代、日常に潜む生活習慣病のリスクについて知って、病気は予防するに越したことないと思うので、一部でも参考になれば幸いです。
ちなみに、前提として大事なのは、色々な栄養素をバランスよく摂取することです。
「バナナダイエット」とか「炭水化物抜きダイエット」とか「ココナッツオイル…」とか、極端な健康食品ブームが時々湧き起こってスーパーの棚が空っぽになるのは、ハッキリ言ってマスコミの罪だと思います。バナナしか食べないのも、お米を抜いて肉ばかり食べるのも、なにでもココナッツオイルをかけて食べるのも偏りすぎ。偏食は不健康のもと。
最近そういう乱暴な話を見ていない気がしますが、社会が進化してそういうのがうけいれられにくくなったのか、それとも、コロナのせいでそんな企画を考える余裕がないだけなのかもしれませんね。