発明より発見を~ 基本はめちゃくちゃ大事という話
もうかなり前になりますが、セミナーのネタ探しのためいろいろ情報を物色していた際に、わかったようでわかっていなかったことを認識し目から鱗が落ちることかありました。
孫子の兵法
「孫子の兵法」は今から2500年前に中国の”斉”の孫武が記した世界最古の兵法書だそうで、戦争がなぜ勝つのか?なぜ負けるのか?を過去のデータから分析しまとめられています。
古くからナポレオンが座右の書として愛読したり、プロ野球で活躍された野村克也さんも監督時代に”負けに不思議な負けなし”と語られ孫子の兵法をベースに自らの野球理論を確立された話は有名ですよね。
私はそれまで”孫子の兵法”をいかに負けないかを最優先に考えたディフェンスシブな戦略。。。
戦って勝つのは下策。戦わずに勝つのが最上。
敵を知り己を知れば百戦してあやうからず
上の2つの有名なコンセプトがあるといったくらいの理解でした。この2つ目の理解が間違っていたのですが、
相手の情勢を知り、自分の情勢もよく知っていれば負けることはない
敵のことを知らず、自分のことだけわかっている場合は勝負は半々
敵のことも自分のこともわかっていない場合は、ほぼ負ける
上記の解釈がほとんどで、まずは敵を知ろうという教訓のようにとらえていました。
しかしながら、この解釈は漢文の解釈が間違っており日本でのみ広まっている考え方で、ヨーロッパをはじめ世界では、以下の解釈が常識だそうです。
自分のことを知れば敵のことを知らなくても勝負を五分五分にするのが定石という考え方
自分のことを理解するだけで危機管理の半分は成立する
完全を追求するのではなくまずは自分を理解することが重要
この考え方を見たときに、まさに!と下手に膝を打って納得しました。
経営コンサルティングの現場でも、中小企業の社長で自社の財務状況について正確に理解をされてる経営者にお会いしたことがなく、ず~と不思議に感じていたのですが、人間の性として自分の姿はよっぽど意識しないと見えないんですね!
というか見たくないという説もある。。。。。
自社のことは知っていますか?
こんな補助金があるんやけどううちは採れへんかな?
おいしい融資制度ないのかな?
あそこの銀行は最近足を運ばへんなぁ。
こういった社長に限って自社の状況を全く理解されていないケースが多いように感じる。(怒られる。。。。。。。。。)
銀行や取引先、補助金のことも大事ですけどまずは自社のことをちゃんと理解せなあきませんよという話です。
この点は私はすごく危機感を持っています。
売上
営業利益
経常利益
税引後利益
このあたりは”わかっているで!”という話になると思いますが
現在の融資残高(本数、金利)
その借入金額を何年で返せるのか?(融資の返済期間とは違う)
担保状況(担保価値、担保評価に対する信用余力は?)
連帯保証の状況
保証協会とプロパーの融資残高
保証協会の枠はどれくらい残っているのか?
会社の自己資本比率(実質債務超過になっていないか?)
現在加入の社長の生命保険の保障額(得意先への支払い、融資残高、従業員の退職金、家族の生活費は?)
現在の会社の売却価値(決算書の帳簿価格ではなく時価評価)
今期末に現預金の残高はいくらになるのか?
最後まで即答できる社長はなかなかいません。。。。。
しかし、正直これくらいのことはわからないと相手に勝てるハズも無く、負ける可能性が高くなります。実際には勝っている錯覚に陥っているがいいようにやられているケースがほとんどです。
岡田監督も”そらそうよ”となります。
現実的に勝てている会社は少ないですが、自社を知ることで負けない戦いは十分できるように思います。相手を知ることも大事ですが、まずは自社を知ろうという話でした。
是非、自社でお取組みをしてみてください!
次回以降では、自社のことがわからない原因についても掘り下げたいと思います。
弊社ではそういった財務状況の診断サービスを提供しておりますので、よろしければ是非ご利用ください!
財務ドック診断サービス – UKパートナーズ (ukp.co.jp)
UKパートナーズ 梅村 尚樹
umemura@ukp.co.jp