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小さな小さな漁港 昭和の空気を感じた 朝に

早朝四時前 まだ薄暗い中
軽トラが走り回る

聴き慣れない波音

時折 風の息で 襖が 一斉に音を立てる

“ドン”って

あまり 寝れなかった…..
旅先での何時もの事….

夜中に 薄暗い廊下を歩いて行くのも
ドキドキする。
何も視えないけど….

廊下にはこんな張り紙が

けたたましく鳴り響く
サイレンの音
それはそれは 大きな音で….
皆 起きるわなって

定置網に向かう船が出て行く

さてさて 朝の釣りでもするかな…

ゴミ捨てに来た
おばちゃんや おばあちゃんが声をかけて来る
“おはよう御座います 釣れるかね?“って

尋ねてみた
”船は何時に帰って来るの?“
六時前には 港に戻り 水揚げだと

沖合から 船のエンジン音が近づいてくる。

ちっちゃなカメラを取りに
宿に戻った....

“油圧が爆ぜてな〜”
(巻き上げ機の油圧ホースが破裂した)
宿のおっちゃんは 話す

皆に見詰められながら 油圧ホースを
交換する姿は 小僧時代の昭和の我を観ている様だった….

彼が立ち上がりった瞬間
港の空気感が 変わる…
修理屋なら 敏感に読める

水揚げが始まる….

次から次へと 揚げられる
素早く 反射的に 分けられ

宿のおっちゃんも きびきび働く

ワラサに 飛び魚に サワラに…
ここには 色々な魚が居る

魚が次から次へと 揚げられる

手に バケツを持った お爺 お婆も
やって来る。
聞くと 月払いで 獲れた魚を買っていくのだと

少し離れて 眺めてみた。
毎日毎日 市場の休みや 海の荒れている
時以外 何時もの朝の景色

少し前に 訪ねた生き水の地区とは
全く違う空気感….


ここでは泊まりの客も
その空気感の中に含まれている

なんだか ホッと 嬉しくなってくる

おっちゃんの働く姿を眺め
宿に戻った
時刻は 朝6:40分

朝風呂を頂き 一服を

電話が鳴る 
“朝ごはん 準備できました”

続く….,

平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲

昭和旅

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