”悩ませて ごめんなさい“ 森のテラスで あいうえお...
セラピストさんが 真顔で 呟く
”前任者が 悩んでたの わかります“.....
“テラスへ行きましょう
外 気持ち 良いからと....”
最近はセラピストさんが 声をかけてくれる
森のテラス….
色々な物語が 生まれた場所….
マスクを 外して話し出すと
セラピストさんが 引き攣っているのが
わかる…..
“動いて無いですねー 顔”
そう 最近なんだか 調子悪くて….
施術を 進めると 少し動き出す…
“前例が無いから…
悩みますねー 皆で 会議だ…”
….,,,,,,,
秋の日 鮎三昧を クーラーバックに
詰めて 早朝の高速に乗った
”顔見せに来てよ“って言われて....
北に向かって 走って行く
真新しい病院
空より青い 壁が美しい
“おはよう”って 聞き慣れた声で
肩を叩く ドクターH
そう 急性期でお世話になっていた
主治医である。
八か月ぶりだった
“どう? “
いつもの調子で 診察が始まる…
“先生 最近調子悪くて…
ほら 腹話術でしょ”….
色々と状況を話す
“腕が 急に 痩せて痩せて..”
先生の口調が変わる
いつから?….
春先…
台風三つ重なった頃から…
.....,,,
兎に角 安心の為に 検査しよう
頭のMRIと
髄液検査と…
神経伝達と…
......,
診察室を出る時
鮎三昧を 手渡した
天然鮎のメッカに 天然遡上鮎三昧を
持って来て…
今 出来る事は それくらい…
大忙しなのに 何度も電話をくれて
中々 予約の取れない急性期病院の
検査予約を 入れてくれたと…
ありがたいものである。
“前例が無いから....
皆さん 悩ませて ごめんなさい”
坊が 呟く
“余命 一か月って 言われたらどうする?”
“何も変わらず 川で鮎獲ってると
思うで”
だって 朝目が覚めれてで
始まるから… 毎日
ギランバレーに恋をして
鮎漁師 浮世雲