“偶には 紅茶など 淹れてみる” あさぼらけの徒然
鮎漁師の一日
高水 増水の中 網を打っていた。
投網は ぼろぼろに なってしまった。
今日は 朝から一匹も獲れない
水は冷たい….
昼下がり
暖かなウッドデッキで 綱を編む
部屋の中からは 心地よい音色が
聴こえてくる
黙々と 編んで行く
きょうは 手の機嫌が悪いのか
ブルブル
ブルブル
震えが止まらない….
そんな景色に….
“御意”
ビール片手に…
いえいえ
それでは 絵になり過ぎる
鮎漁師は 鉄瓶で湯を沸かす
茶を点てる?
いえいえ
それもまた 絵になり過ぎる
“偶には 紅茶など 淹れてみる”
ポットを選び
カップもいいけど
茶盌にするか
ティーバックだけど
ゆっくり ゆったり 丁寧に淹れてみる
日常と非日常
そのバランスを 身体の機嫌を
伺いながら 生きている
心地よく いれる時間
日常で ほんの少しでも
心地よい時を 重ねれたらと
“紅茶 美味いやん”
茶師の鮎漁師は ひとり呟き
“網を 編む”
リハビリ リハビリ
平安な暮らしをする縄文人
浦島太郎な浮世雲
鮎漁師 あさぼらけの徒然