見出し画像

よくぞ 御無事で…. コロナが 突然やって来た 森のテラスで あいうえお

“浮世雲さん コロナに かかると死にますよ”

ギランバレーに恋をして 
何度真顔で 呟かれた事か….
何度 鼻の奥に 綿棒を突っ込まれた事か…

三週間ぶりの診察室
“いかがですかの?”問いかけに

“家人 持ち帰りのコロナがうつりまして…
大変な二週間でした…”


カルテを打つ手を止め
引き攣りながら振り向く主治医

“良くぞ御無事で 来れましたね
大変だったでしょう”
“急に来られ無くなって皆で心配してましたよ”と

ありがたいものである


大変だった
ウイルスの宿主は三日目には ピンピンしてるのに…

悪寒 発熱 全身筋肉痛から始まり
喉の腫れは 半端なく 外から見ても
リンパが腫れ上がっている
声帯も腫れ…

日に日に 呼吸が浅くなり
おいおい また ギランバレー再発かよ
ってくらい 自由が効かない

日に日に 寝込む時間が増えてくる
ヤバいぞ….

周りにうつさないように お籠りを
日に日に テンションも下がっていく

ギランバレーに恋をして
コロナの症状のオンパレードだからと
笑っていたが
いざ疾患すると 笑ってられない

コロナで 急変して 生死の淵を彷徨った友人も居る

ギランバレーで五回死んだけど…
コロナで…は

嫌だな…

そこは 図太いらしく
10日過ぎたくらいから 快方に向かった

“先生 全然テンション上がらなくて”

“無理にテンションなど 上げては
いけません。
アイドリングのアイドリング
超スローから 初めてください”

流石 二年半も 回復期リハビリテーションで ずっと経過を見ていれば アドバイスも的確である。

“あ はい そうします。”

“では リハビリもぼちぼちと再開してください”

春爛漫
森のテラスで あいうえおのリハビリである。

“浮世雲さん お久しぶりですね
急に顔見れなくなって
皆で心配してましたが
如何されてましたか?”
満面の笑みで セラピストは呟く

実は コロナで寝込んでまして…

え?

続く…

ギランバレーに恋をして
森のテラスであいうえお
コロナに罹りまして



いいなと思ったら応援しよう!