Chi Nei Tsang
Chi + Nei Tsang
mika moonがColon Hydrotherapyについて、話してくれたので、ぼくもさっそくチネイザンの話をしましょう。チネイザン、正確には「チ・ネイザン」と区切った方がいいかもしれません。「気内臓療法」と謳っている場合も、割とありますね。「チ」はQiと書いたりもします。音でなんとなく察しがつく方もいるかもしれません。「エネルギー」であったり「エモーション」であったり、そういう「気」です。「ネイザン」も、音から想像できますかね。ネイザンは「内臓」です。チネイザンは、腹部に働きかけて、「チ」=悪い「気」、そして「ネイザン」=食べ物、飲み物から摂取した「身体に悪いもの」、その両方のデトックスを促すマッサージ、簡単に言うとまずはそんな感じです。
Nei Tsang: Ocean of Chi
チェンマイでチネイザンを学んだ時、「内臓は気の海」だと先生は言っていました。流派を問わず、タイのマッサージにおいて「気」は重要な要素のひとつです。タイ古式マッサージ/タイ式マッサージ/タイ式整体などと日本語訳されているタイ・マッサージにおいては、タイ語で「セン」、英語で「エナジー・ライン」と呼ばれる気の通り道を指圧して、悪い気をとりのぞき、いい気を入れ、気のいい循環を生み出します。内臓には「気」のなかでも、「感情」「記憶」が蓄積されていくと言われています。そして、手や足など身体のいくつかの箇所にある「風門」と呼ばれる気の出入り口の一番大切もの、言ってみれば玄関のようなものが「おへそ」だと言われています。エネルギーの観点からも、感情や記憶の観点からも、総じて「『気』の最重要箇所は、『内臓』である」と言えるかもしれません。ぼくが個人的に受けて、また施術をしていて、またお客さんからのフィードバックをもらって、感じているのは、この「気」のデトックスの凄さです。涙が溢れたり、パンドラの箱が開いたかのように、強烈な感情の波に心身ともに翻弄されたり、様々ですが、みなさん一様に顔つきが変わります。目が変わります。気が巡るんでしょうね。達磨さんに目を描きこみ、魂が吹き込まれるように感じるのと似たようなものだと思っています。去るべきものは去り、戻るべきものは戻る。多くのもので塞がれていたり、形が歪んでいたり、鍵が壊れていたり、錆びついて重くなりすぎていたり、なにかしらの理由で閉ざされてしまった扉をひらく、そしてそのゲートと宇宙をつなぐ。ドアマンでもあり、パイプでもある。自分はそんな役割をしていると施術する度に感じます。宇宙、もちろんそれはオリジナル・セルフ。自分に、自分のゼロ地点に、還る。そのはじまり。そこに伴う痛みは、巡礼の試練と言ってもいいかもしれません。
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