【魚沼乳菓】続!!日本全国のミルクまんじゅうを全部取り寄せて食べる
これまでのあらすじ:
博多通りもんの影に隠れた日本全国のご当地「ミルクまんじゅう」を探し求め、60種近くを食べ比べたライターのるゆにつ。
一通り食べ終えて安心していたのもつかの間、まだ見ぬミルクまんじゅうが我も我もと押し寄せてきてーーー!?
るゆにつは乳菓を制し、今度こそマイベストミルクまんじゅうを決めることができるのか。
バター、練乳、生クリーム。乳製品にまみれた聖戦が今、再び開幕。
戦いの模様はこちらから
菓子杜氏喜太郎:魚沼乳菓(新潟県)
今回は米どころ新潟、菓子杜氏喜太郎さんより魚沼乳菓をご紹介。
喜太郎さんとは元々は江戸時代の菓子職人だったようで、江戸後期の魚沼の風土を記した『北越雪譜』にその名前が登場します。
雪国の風俗や暮らし、独特の言葉や産業について書かれた本に名前が出てくるとは相当のインパクトだったらしく、その名前にあやかって喜太郎商店という屋号が誕生したのだそうです。
ミルクまんじゅうの他にも地元産の食材にこだわったスイーツを数多く発売しており、中には魚沼と言えば誰もが思い浮かべるであろう、魚沼産コシヒカリの米粉を使ったものも!
この魚沼乳菓に使われているのは小麦粉ですが、パッケージにもある通り魚沼産の牛乳と新潟産の赤たまごが使用されています。
いくつか一緒に購入しましたが、どれも北国に伝わる民話や寓話が書かれた書物をモチーフにしたような、幻想的なパッケージでとても可愛いです。
名前も良いですね。
そしてこれが今回の魚沼乳菓です。
見た目は素朴ですが、持つとふわふわと柔らかく、焼けた卵の香ばしい香りが鼻をくすぐります。
実食!
切ってみると高さがあり、ぎっしりとミルクあんが詰まっているのがわかります。
ぎゅっと押し固められていますが口の中でほろっと崩れ、しっとり滑らかな口溶けに変わるイリュージョンです。
バターは使用されていないため、バターの強いコクは感じられませんがその分豆の甘みがしっかりと感じられます。
生地は卵の味が濃く、焼けたはちみつの香ばしさもあって、あんに負けない個性です。
牛乳の甘みもほんのりと感じられますが、バターの”洋”のエッセンスがないためかかなり”和”に振ったトラディショナルなお菓子と言えるでしょう。
だけど全然古臭くなく、新たな新潟の息吹を感じました。
まとめ
しんしんと降りしきる雪のように、地道に実直にノウハウを積み重ねてきた菓子杜氏喜太郎。
その結晶とも言えるお菓子たちのひとつである魚沼乳菓は、食べるとなぜか家族でこたつを囲み、みんなでわいわい言いながら食べている絵が思い浮かびました。
強い甘みや変わった材料を使っているわけではないのに、ひとつ、またひとつと手を伸ばしたくなる不思議なミルクまんじゅうでした。
雪国の長い冬も、このお菓子があれば楽しく乗り越えられそうですね!
それではまた次回🌕