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一日一頁:箱田徹『今を生きる思想 ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』講談社現代新書、2022年。

読み終えた。

時間がなくても1日1頁でも読まないことには進まない。

たとえ、重力から自由になれないとしても自覚するだけで全く異なってくるはずだ

そうした場を自分たちで管理するという集合的な実践によって「わたしたち」は生まれる。あるいは個人はいままでとは別の個人になる。そこでの(つねに楽しいわけではない)敬虔は、集合的なものであるからこそ、贅沢であり美的なものともなりうるからだ・当地論では「自己」に大きさの制限がない・だとすれば、自己への配慮や生存の美学の単位である自己についても、別のスケールで、いまあるものではないオルタナティブな性質をもつものとして構想できるだろう。
 そうした選択にはリスクと責任がやはり伴う。愉快であるとは限らない。そうであるからこそ、私たちはなおさらのこと、いま私たちがどのように組織されているのかを分析したうえで、別のかたちでみずからを組織することに目を向ける必要がある。それはまた、日本と世界でこれまでに起きた、またいま起きているさまざまな力強い実践に触れることを通じて、みずからの力に気づくことでもあるだろう。そのことによって私たちもまた哲学的生の歴史の一部となるのである。

箱田徹『今を生きる思想 ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』講談社現代新書、2022年、97-98頁。


氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。