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一日一頁:内村鑑三(鈴木範久解説)『ヨブ記講演』岩波文庫、2014年。

ようやく恩師解説の名著を読み始めた。

時間がなくても1日1頁でも読まないことには進まない。



彼の如き敬虔なる信者が、かの如き大苦難に会したのである。これ果して愛なる父の所為として合理なるか、神に対するわが信仰は誤謬ならざりしか、むしろ世に神なきに非ざるか、もし神在りとせば義者に患難を下し給うは何故かーーおよそこれらの疑問が彼の心霊を圧倒すべく臨んだのである。実に彼は予言を以て大問題を提出せられ、実験を以てこれに答えしめられたのである。故にヨブ記全体に活ける血が通っている。火と燃ゆる人生の熔炉に、鉄は鍛えられんとするのである。文学上の遊戯ではない。生ける人間生活の血と火である。これヨブ記の特徴である。

内村鑑三(鈴木範久解説)『ヨブ記講演』岩波文庫、2014年、12頁。


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氏家 法雄 ujike.norio
氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。