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あんときのデジカメ 瀬戸内海の緑とさつき空の青 with ミノルタ DiMAGE Xt

(はじめに)時々、無性に海が見たくなります。5月の終わりに丸亀港(香川県丸亀市)で気分転換してみました。船って間近で見ると「The 機械」ですね。その様子をミノルタ最後のコンパクトデジタルカメラ DiMAGE Xt でスケッチしてみました。


ミノルタとの出会いという衝撃

 今回とりあげるのはミノルタ製のデジタルコンパクトカメラになります。2003年製なのですが、当時、ミノルタのライカMマウントのミノルタCLEを常用していたことがあり、ちょうど子どもを授かった時です。CLEにロッコール40mmを佩用してその日々の変化を撮影していましたので、同じ年に、コニカ(東京)とミノルタ(大阪)が経営統合されたことには驚きました。以後、コニカミノルタとしてデジタルカメラを販売していきますが、あれよあれよという間にカメラから撤退し(事業はSONYが継承します)、あらら……とおもったのが、同時代的な印象批判になります。

 筆者とミノルタとの出会いは、1990年の慶應義塾大学三田キャンパスでのことです。先輩が使っていたミノルタα-7000(1985年)をちょっと借りたことが端緒です。

 それまで、キャノンの露出計の壊れたキヤノネットG-IIIを常用していたので、

(1)一眼レフカメラを使うこと、
(2)オートフォーカスのカメラを使うこと、

 というのは「衝撃」という他ありませんでした。

 中野坂上を逆行で照らし出す撮影をして、「まじ、これタイムズスクエアやないけ」なんて、うぬぼれていましたね、当時のことです。

ミノルタ製最後のデジタルカメラ

 さて、DiMAGEには、薄型コンパクトシリーズの「X」のほか、今で言うネオ一眼スタイルでハイエンドの「A」、普及型「Z」があります。Xtはワイシャツのポケットにも入るというフレコミですが、この時代(2003年)のライバル機と比べても非常に薄くコンパクトな筐体です。

 2003年といえば、SONYのDSC T-1が薄型コンパクトの代表選手として有名ですが、こちらと比べても薄くコンパクトにまとまっています。T-1は500万画素に対して、Xtは320万画素ですが、この時代はだいたい300万画素が主流ですから、一定の水準はクリアしている普及機といってよいでしょう。

 久しぶりに1日使ってみましたが、機械としては大変優れたデジタルカメラという印象です、レスポンスが非常にいいこと、バッテリーのもちが優秀なカメラで、使っていて全くストレスを感じなかったのは意外でした。

 液晶の小ささなど、その時代なりの限界はあると思いますが、使いやすいカメラで、時代的制約云々をさっぴくならば、「軽快によく写る」としか言いようがありません。

 フィルムカメラ「時代」のミノルタといえば、「α」シリーズに表象されるように、とにかく、時代の「エッジ」であったというのが筆者の印象です。今後の筆者の課題ですが、フィルムカメラ含めて、ミノルタの「サルベージ」もありなのかな考えています。

五月の空は突き抜けるように「青く」、それに対して瀬戸内海は「緑」

 でわ、簡単にスペックをおさらいしましょう。撮像素子は1/2.7型330万画素CCD。絵作りは、非常に鮮やかながら、LUMIXのようなギラギラしたそれではなく非常にナチュラルな再現力で、私としては非常に好感を持つCCDです。白トビもすくなく、光量の著しい対比でも、割と粘って色彩を再現するところにはびっくりです。

レンズは、37-111mmの光学3倍ズーム。屈曲光学式なので、ズーム時にレンズが伸びたり引っ込んだりはしません。ミノルタは割と早い時期からこの方式を採用しており、技術力の高さには驚きました。2005年にはデジタルカメラから撤退してしまいますが、惜しまれるところです。ちなみにf値は2.8~3.6。望遠端でf値が明るいことも使いやすい理由のひとつになります。ただし、レンズが筐体の右上の角に位置しているため、撮影時にホールディングした指が「かぶってしまう」ことが難点でしょうか。そのことを意識して撮影することが重要になってきます。

さて、今回は、瀬戸内海の「港」を撮影してみました。五月の空は突き抜けるように「青く」、それに対して瀬戸内海の海は「緑」ですね。そして船の「機械」感をスケッチしてみました。




ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は2048×1536サイズで保存。撮影は5月22日。撮影場所は香川県丸亀市の丸亀港。

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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。