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『利他・ケア・傷の倫理学』【読書】

 近内悠太さんの新著が出たので読みました。
『世界は贈与でできている』が個人的にどハマりした本だったので、気になって手に取りました。
この本もめっちゃくちゃ良かったです。
今まで読んだ本の中で、トップクラスに人生に影響を与えてくれた一冊になりました。

自分の中にあったモヤモヤしていたものをハッキリと明確にしてもらいました。
同時に、今まで聴こえていなかった声が聴こえてくるようになりました。

『利他とは、「自分の大切にしているものよりも、その他者の大切にしているものの方を優先してすること」という定義にある条件を加えて、利他とは、「自分の大切にしているものがあるにもかかわらず、他者に導かれて、その大切なものを手放すこと」となりました。』
『誰かのために大切な何かを手放すことで私が変わる。そうあるべきと命じられたものを破り、自らが言語ゲームを選び直すこと。利他とはそのように構造化されている。
それは決して自己犠牲ではありません。なぜなら、それまでであれば単なる犠牲として捉えていた「私」自身が変容してしまうのだから。もはやそれを自己犠牲と規定できる私はいない。』

利他は、自己変容を伴うものだと実感しました。
それは、自分の大切にしているものと他者が大切にしているものが異なることを知り、葛藤し、それでも相手の大切にしているものを大切にしようとした時に、自分が変わってしまう。それを利他と呼ぶ。
それによって、未来の自分という他者を救うことになるという構造が見えました。

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