半側空間無視の評価
皆さん、こんにちは
和歌山で作業療法士しています宇治です!
よろしくお願いします!
今回のアウトプットは前回【半側空間無視について】続きで【半側空間無視の評価】をアウトプットさせていただきます!
はじめに
半側空間無視(USN)は、大脳病巣の反対側の空間に与えられた刺激に、反応が低下もしくは欠如する現象です!
臨床では、半側空間無視単体で出現することはほとんど少ないと思われます!合併症により、評価が困難な場合もあります!
しかし、しっかりアセスメントを行い介入することがその方にとって良い介入が行えると思いますので、是非評価をしっかりできるようになっていただきたいです!
スクリーニング
まず、初診する際にしっかり観察を行いましょう。例えば、ベッド臥床している方で、初回介入する際に、ベッド上での姿勢を見ましょう!頸部が左に回旋状態の場合がありますので、次に声をかけた際の、反応をしっかり見ましょう!右側では反応速度が速いが、左側では右側と比べて反応の遅延が見られるなどの違いや、声をかけた際の視線や頸部を見ましょう。半側空間無視があると頭部と視線のズレが生じるのが特徴です。
よくスクリーニングで使用される評価がSIASです。
検査用紙に書かれている線(20cm)の中心から、1cm以上ずれている場合、半側空間無視が存在することが示されます。
この検査では3つの用紙があるので、ずれの値を「最小◯cm〜最大◯cm」というように捉えます。
1cm以下のずれの場合の解釈ですが、対象者の視覚機能や注意機能、日常生活上での様子などを総合的に評価する視点が必要になります。
上記にも説明しましたが、半側空間無視単発ででることはほとんどないです。半側空間無視と半盲を区別する必要もありますが、中には半側空間無視と半盲が合併していることもあります。なので、しっかり区別することができない場合もありますが、個人的には何ができて、できないのかをしっかり観察することが重要であると思います。
自己中心的無視は、個人が自分の体や自分の個人空間の片側を無視または顧みない神経学的状態を指します。
物体中心的無視は、個人が世界の物体の片側を無視または顧みない神経学的状態を指します。
自己中心性無視は、自分の身体もそうですが、見た環境すべての左半分は無視してしまいます!また音に対しても反応ができなくなる可能性があります!
評価では、BIT通常検査はもちろん、日常生活で観察尺度であるCBS使用します!
対象中心性無視は、見る物全て左側を無視します。例えば上図のように、一つ一つ置いている皿半分を、無視します!
評価では、模写試験を使用します!
CBS
Catherine Bergego Scale (CBS)は、日常活動中の半側空間無視(USN)の徴候を評価する観察的尺度で、リアルタイムでの行動の観察に基づく生態学的評価と患者様に質問を行い自己認識の評価を行う評価バッテリーです。
CBSの各項目は、0(正常に実行)から3(重度の無視)までスコアがつけます。スコア高いほど半側空間無視重症度がわかり、最高スコア30は重度の半側空間無視を示します。
KF-NAP
KF-NAP(Kessler Foundation Neglect Assessment Process)という評価はCBS客観スコアの信頼性をさらに高めるためにKessler財団によって開発されたもの(Chen et al., 2012; 2015)で、生活上での無視症状を検出するための観察評価です。自己中心座標系に焦点を当てた評価とされています。
BIT
BITは半側空間無視の神経心理学的検査です。『BIT行動性無視検査日本版』は日本の高齢者に適応しやすいように作成されている特徴があるらしいです。
・通常検査 最高得点141点 カットオフ 131点
・行動検査 最高得点81点 カットオフ 68点
BIT通常検査は2つの注意様式について知ることが重要です。
一つ目が能動的注意 二つ目が受動的注意
能動的注意とは、ある課題(行うべきこと)を遂行するために自ら積極的に意識し、集中するような注意の様式のことをいいます。
受動的注意とは、何かを遂行していても、突然現れた変化やアクションに対して無意識的に注意が向くような注意の様式をさします。
ADL場面を考えても能動的注意のみならず、視線を向けずに注意するような受動的注意も関わっています。
突然生じるようなリスクに対処するためにも、受動的注意は必要不可欠な注意の要素といえます。
またBITには通常検査と行動検査がありますが、結果の解釈が違います。
通常検査では、半側空間無視の有無を判断することができます。
行動検査では、日常的問題の予測、課題の手がかりなど
半側空間無視は単体ででることはほとんどありません。個人的にですが!
なので、他の高次脳機能障害が混在している場合があります。他の検査も行ってその症状と課題をしっかりと抽出することが重要です。
以上となります。
次回は半側空間無視のアプローチの仕方です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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