シェア
uisan4869/小説
2021年1月31日 16:03
清々しい朝のそよ風と暖かいオレンジ色の朝日がゆっくりと遠くのビルの隙間から顔を出し、人々の目覚めを優しく見守る中、恐ろしいほどに空気は重たく、氷のように冷たい雰囲気漂うマンションの一室。差し込む朝日が私を照らし、夫を日の当たらない影で隠し、二人の間をまるで境界線のように分断している。その様子はまさに夫婦の温度差を表しているようだった。まだ日も上がらない暗がり早朝の中、外で本能のまま絡み合う愛の証明
2021年1月17日 08:04
前回。突然私の前から姿を消した青年。数週間という長い時間が過ぎた頃、土曜日に夫と久しぶりにデートに行き、そこで結婚したての頃の感情が徐々に再び芽生え始めていた。もう会えないのならばこのまま青年のことは忘れて夫との変わらない日々をまた送るのも悪くないと思い始めていた時だった。私は偶然にも青年と再会し、会えなかった理由を知る。青年と再会したことで取り戻しつつあった夫への感情は上書きされ、次の日の日曜
2020年12月27日 07:30
最近、よく街で見かける料理を宅配してくれるサービス。一般の人がお店から料理を受け取り、それを注文したお客の元まで届けることで報酬を得られるというもの。話には聞いたことはあったが、実際にそれを利用したことはなく、ニュースでもマナーが悪いなどで良い印象がなく自分とは無縁の存在だと思いながら過ごしていた。だが、日曜のある日のこと。自宅が丘の上にあるマンションで移動自体も坂が多くかなり面倒。それにその