読書感想文
神様からひと言|荻原 浩
大手広告代理店を辞め、食品会社に転職した佐倉涼平。
入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ予備軍と呼ばれるお客様相談室に異動となる。
会社に属していれば有無をいわせずふりかかってくる理不尽。
アクの強い上司や面倒なクレーマー、ブラック企業の体制、いいことばかりじゃないどころか、嫌なことの方が多い。
頑張って生きてるみんな偉い!スカッと爽快系です。
西の魔女が死んだ|梨木香歩
中学生になったまいは、クラスに馴染めず学校に行かなくなってしまう。
まいはしばらく、自然溢れる祖母の家で暮らすことにした。
無理してグループの中に入るか、孤独でも自分の心に正直でいるか。
自分の選択について噓を付かないことは、人生を丁寧に生きること。
自分が楽に生きられる場所を求めたからいって、後ろめたく思う必要はない。
あなたは魔女に出会ったことがありますか?
オレたちバブル入行組|池井戸潤
倍返しや土下座でおなじみ、半沢直樹の原作。
支店長命令で無理に融資を承認した、西大阪スチールが倒産した。
浅野支店長から全ての責任を押し付けられる融資課長の半沢。
四面楚歌の圧倒的な不利な状況で残されたチャンスは債権回収しかない…
失敗を許さない体質は、多かれ少なかれ現実の社会にもある。
コンビニ人間|村田沙弥香
他人にも同じを求める「普通」の生き方。
30代独身コンビニバイト。マニュアル通り有能に働く。
コンビニだけが主人公と外の世界を繋ぐ唯一の接点。
でも、そんなコンビニ内ですら同僚たちから「普通」と思われていない。
自分が幸せであるよりも、他人から幸せであると見られなければならない。普通とは?異常とは?どうしたら生きる意味を見出せるか?
夜のピクニック|恩田陸
全校生徒で、夜を徹して80kmの道を歩き通すという高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
3年生同じクラスの融と貴子は、家庭の事情からこれまで一言も会話したことがなかった。
若さゆえの不完全な自己、大人になれば忙しさで見過ごしてしまう。思い出さないと忘れてしまう。
あの頃は悩んでいて、焦っていて、強がっていた。
何かの終わりは、いつだって何かの始まり。