エッセイのような詩「ギター」
ギターの音が、トゥルトク、ポコポコという水の泡に聴こえて、すっかり魚になった気分だ。透き通った浅い海の底にいる魚か、部屋の隅にある水槽の中の魚か。泡が、水をめぐらす。
ギターはほんものの木でつくられているはずなのに、水の泡は、人工的な音をしている。
海ならばダイバーが近くにいるような、水槽ならば酸素を排出する装置があるような。
私は水の中で、上からの屈折したあかるさを感じている。
上がりたい、とは思わない。ただ、上があかるいことを胸に留め、それを心地よいものとして受け取りながら、じっと泡を聴いている。
届けたいという、歌を聴いている。
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