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『水を縫う/寺地はるな』を読んで

手芸が好きな高校一年生男子の清澄。
ある被害にあった時に教師から受けた不用意なひと言で「可愛い」を受け付けなくなってしまった生真面目な水青。
その二人の母親で子どもを思うあまり行動を制限しがちで融通の効かないさつ子。
さつ子の母親であり女は男より劣る者という考えに不満を持ちつつもその考えに縛られていた文枝。
浮世離れしていて家庭人として振る舞えなかった為にさつ子に捨てられた全。そして、その友達であり雇用主でもある心優しい黒田。

さつ子がちょっと苦手だなとは思うけど、悪い人は出てきません。

水の縫うって?
不思議な気持ちで読み始めました

それぞれ皆んな「〜らしく」という呪縛に思い悩んでいます。普通ってなんだろう。

人と違ったっていい。好きなことを好きということの勇気を持った時に世界が広がるのです。

文枝が水泳を始めたことには大きなブラボーをあげたいです。誰だって、いつだって、何かを始めることは出来ると気づいて良かった。

全が子ども達につけた名前はどちらも清らかな水という意味なのですが、由来が素敵でした。
「流れる水はけっして淀まない。常に動き続けている。だから清らかで澄んでいる。」
進み続けて欲しいという願いです。

清澄が水青のため刺した「流れる水」の刺繍が見てみたいなぁ。




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