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東京遠征中に推し棋士に会ってきた話【前半】

この記事と次回の記事は個人的な趣味の話全開でして、テュル活とは直接的には関係のない話なのですが、どうしても書いておきたいこととして書き残しておこうと思います。

東京遠征中の(個人的)一大イベント

東京滞在中、研修が始まって最初の土曜日、8月27日。研修は土日と休みだったのでその休日を利用し、ついに私は、長年望んでいた念願を果たせました。

トルコ滞在中に将棋を指し始めて以降ずっとファンで、かなうならぜひ一度お目にかかりたいと思っていた棋士に直接将棋を教わる機会を得たのです。

そう…それは、戸辺誠七段。知る人ぞ知る、過激派振り飛車党(主観ですが同意してくださる方は多いでしょう)の将棋棋士です。この日どれだけ自分が幸福であったかを書き残さない手はないということで、以下2回に分けて書き記しておこうと思います。

経緯:2019年の加瀬将棋教室

彼のファンになった経緯はまじめに話すと長くなるのですが、かいつまんで言うと彼こそが自分の棋力を引き上げてくれた恩人だと思っていたからです。

え?会ったこともないのに?と思われる方も多いでしょう(私もそう思う)。しかし、将棋には棋書という、将棋の教科書のようなジャンルの本があるのですよね。

それで、戸辺七段の本。この、彼の著された棋書がどれも自分にとってすばらしかったというか、まさにこれだ!という指し方の本だったのです。

以下、やや将棋そのものの話になるのですが。
振り飛車だけど、仕掛けていくというか攻める振り飛車というか。それまではノーマル四間飛車を勉強していたのですが、どうしても相手の攻めを呼び込む展開になりやすくて、そのまま押し切られて負けてしまうパターンがとても多かったのです。こちらから攻めていく何かいい方法はないものかというのでいろいろと模索していた時期があったのですね。ちょうどその時期に、戸辺七段の本に巡り合ったというわけです。

当時トルコの首都アンカラにいたころは、Youtubeで強豪の方の将棋ウォーズ実況動画を見るか、日本から持ってきた棋書を読んで勉強することあたりが主な勉強方法になるのですが、当時自分の性格というか棋風に合いそうな戦法を探していた自分にとって、戸辺七段の振り飛車はとんでもなく輝いて見えたのです。

本当にそうかどうかはもちろんわかりません。本当はもっと自分に合った戦法はあるのかもしれませんからね。でも自分自身がそうだと思うからには、そうに決まっているのだ!角交換型石田流はサイコーです!

しかし、仮に日本にいたとしても将棋界は自分にとってはそもそもかなり遠い存在なわけで、こちらは一アマチュア将棋ファンでしかないわけです。

とすると、棋士に直接お目にかかる機会というのはかなり限られてくるのですよね。まして当時は国外にいた身でしたから、棋士と言われても存在が遠すぎて逆にピンとこないということはあったように思います。

そんな時期のこと。

まだアンカラに滞在していた時期のことですが、とあるトルコ関係者の知り合いの方から、日本に一時帰国したときに「加瀬将棋教室」に行ってみませんか、というお誘いを受けたことがありました。

あの時期にnoteで雑文を書いていたなら、間違いなくその時のことは書いていただろうなとは思うのですが。(実に惜しかったです…noteを書き出したのは帰国後でしたからね。)

加瀬七段といえば、戸辺七段の師匠にあたる棋士ですから、教室への参加は自分にとっては「戸辺愛」を語る絶好の機会だろうと思ったのです(異論は認められない)。

そんなわけで、2019年の夏。「体験入会」という形で、教室に参加してきたのでありました。日本で対面の将棋を指すのなんて、何年振りだったでしょうか。今思い返すと、自分はそういったことも含めてとんでもなく緊張していたはずです。

加瀬純一七段は引退こそされているものの、自分が直接お目にかかった最初の将棋棋士となりました。2019年のことだったと記憶していますが、体験ということで参加させていただいて、教室では2局平手で教わりました。

一局はアマチュア強豪の知花賢さん(たしかそうだったはず)に、もう一局を加瀬先生に教わりました。楽しみにしていた割にはこちらは勉強不足で、せめて駒落ちの定跡ぐらいは多少勉強してから行くべきだったなと後で悔いたものでした。

それでもお二方には平手で丁寧に教えてもらいまして、ああ来てよかったな、トルコで将棋を指し始めてよかったと思ったのは間違いありません。

運のよいことに当日は教室終了後に有志で食事に行きましょうということでお誘いまでいただいてしまいまして、教室近くのとある居酒屋で普段通われている方々も交えてかなり興味深い将棋界の話などを伺う機会がありました。思えば、この時がすでに将棋の世界に直接コンタクトする機会を得た素晴らしい日だったのですよね。

こちらも、トルコでの職場での将棋部への関わり方の話を含めて、外国での生活の話などをしたはずです…が、あまりに浮かれたでしょうか、相当酒に酔ってしまったので後半は加瀬七段にも何の話をしたことだったか。

翌日ですらその前夜の自分のことを覚えていませんでしたから、3年以上経った今となってはもうすっかり忘れてしまっています。

ただ、「日本に帰ってきたらぜひ今度は正式に入会しましょう」と誘ってくださった方からもおっしゃっていただきまして、たしかに次はその自分の推したる戸辺七段が講師担当の日に来れれば最高だよなあ、と思ったのは覚えています。

かくして、2022年8月

そしてそこからほぼ3年後。東京にしばらく滞在することが確定した時期から、東京に行ったら仕事がない週末のよき時間帯に加瀬将棋教室に行けそうであればぜひ行こう、と。なんなら、戸辺七段が担当の日があればワンチャンそこを狙って行く作戦 is あるな?と企んでいたのでした。

果たして8月の末、週末の土曜日についに戸辺七段にお目にかかる機会を得たのでありました。今度は正式に教室に入会して教わるということで、一夜漬けながら2枚落ちの定跡の一つくらいはと思って、少しだけですが勉強して臨みました。

例によって、当日とんでもなく緊張していたことはもはや書く必要もないでしょう。どのくらい緊張していたかというと、教室が始まる1時間以上前に最寄り駅に着いてしまったくらい…

いや、すみません。戸辺七段に会った話まで一気に書き上げるつもりだったのすが、そこまでの経緯を書き出したら長くなってしまいました…

…ので、次回仕切り直しでまた当日(つまり、先月末2022年8月)戸辺七段に将棋を教わり、その後いろいろなことを話したことなどを書き記そうと思います。

(というわけで、次回に続く!)

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吉村 大樹
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