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おすすめの本|天気が良ければ訪ねて行きます
✏︎ 『天気が良ければ訪ねて行きます』
✏︎ イ・ドウ|著
※作品を過剰に評価する、または、作品の価値を毀損するものではありません。
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素敵な恋愛小説に、めぐり逢った。
小春日和の、やさしい陽射しのようなぬくもりを感じる、お話。
感性ゆたかな五感から生まれた豊潤な味わいの文章。その根底にあるのは、わたしたちが失いつつある、いや、すでに失ってしまったのかもしれない、
自然とのつながりのなかで、生き、育つ
というあたりまえだった経験かもしれない。つまり、
田舎の生活
というものだ。
そういうあたりまえの経験を、日々の暮らしの中で、あたりまえに経験している者が、はたして、どれほどいるだろう。
ポツンと人里離れた山奥でひとり暮らす人を紹介する番組
大自然の中に定点カメラを置き長回しする8K映像の動画
それらに人気が集まる昨今、
著者の紡ぐ文章が静かに語りかける田舎の瑞々しい情景を、どこへ行っても金太郎飴のように同じ町のなかで、生き、育ったわたしたちが、ありありと思い浮かべることができるだろうか。
まして、その感性に裏付けされ、身体性にあふれた心の機微を、エンコードすることなく、ありのままに感じ取れるだろうか。
一文一文、味わいながら、ゆっくりと、読む。
それは、まるで、
原生林が繁茂する沢に、湧き出た水を口に含んだような健やかさ。
その滋養は、
ひと口、ひと口、すーっと、身体に滲み入る。
細胞が、喜ぶ。身体が、喜ぶ。心が、喜ぶ。
そんな、小説です。
では、グッドナイト。
この町は、春の風が運んできた若草のような、いい香りがする、そんな気にもなるのかなんて、という冗談を考えながら。
ラジャー。
これを読むみなさんの町にも、また、小さな野花の香りが乗った風が吹くことを願って。
オーバー。
カウンセリング・ラジオ 非公開文書
posted by U
p.s.
わたしのおもう『ひとと、ひとの、つながり』は、
スマートフォンの電源をオン/オフするようなもの、ではなくて、
糸電話のような耳ごこちよい振動と、
話し終わった後もたしかに繋がっている、
そういう実感のある安心感なんだ、と、
そんな余韻に、浸ってます。
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