「自分を守るクエスト ①スクール編」を読んで
読書日記第15弾。
今回読んだのはこちら。
内科医・心療内科医・産業医として活躍されてきた鈴木裕介さんの著書。
シリーズものとして②ホーム編③ソーシャル編があります。
ハードカバー、大判で平易な日本語で書かれており、イラストも豊富。
小学校の図書室に置いてあるような本です。
ページ数も40ページと少なく、サッと読むことができます。
「友だちとケンカしちゃった!」
「親友だからいつもいっしょ、ぜんぶ同じは正直つらい」
「先生に好かれていないようで、つらい」
「つらいことはないのに、やる気が出ない」
「学校に行きたくない」
などなど、主に小学生向けに書かれている本ですが、高校生でも当てはまるよなー、と。
何年か高校の教員をして思うのが、良くも悪くも高校生の精神年齢が低下しているな、と。
大人びて達観したような生徒は激減し、かまってくれないとすねちゃうような、超単純な生徒が増えたように思います。
そういった生徒に対しては、小学生でも高校生でも向き合い方は変わらないんだなと思います。
特に共感したのが、「つらいことはないのに、やる気が出ない」という項目。
何に悩んでいるというわけでもないけど、気力がわかなくて学校に足が向かない…そんな生徒は多くなってきています。
著者は「自分のやる気を回復させてあげる方法を自分で見つけよう」と言っています。
ゲームでHPが減ったら宿屋で休んだり、回復のアイテムや魔法を使う、ということを例に挙げてたとえています。
自分の場合はコンビニでデザートを買って食べることかな。
本全体を通じて、いろんなピンチに耐えるための「4つのチカラ」を推奨しています。
①「はなす」→自分の考えや気持ちをだれかに伝えるためのチカラ
②「たよる」→信頼できる人を見きわめて、その人に助けてもらうチカラ
③「ちしき」→自分の心をらくにするために必要な考え方や知識を学ぶチカラ
④「にげる」→自分の心や命を守るために、キケンからにげるチカラ
RPGのように、この4つのステータスをバランスよく育てていこう、と言っています。
これは大人とか子供とか関係ないよな、と。
大人が読んでもたくさん発見があるし、何かにつまづいたり立ち止まったり悩んだりしたとき、この本に帰ってくるのもありだな、と思いました。
コラムとして書かれている「『いい友だち』ってなんだろう」もすごく考えさせられる内容でした。
原点に帰るからこそ、深い本です。