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自分にとって一番大事なものを、一番大事にする


「ないものに目を向けるより、持っているものに目を向けよう」
そんな意味の歌詞の歌を聞いたことがある。

人は、私を含め、持っていないものに目を向けがちだ。

子供の頃はおもちゃ。
やがて、洋服やバッグ、彼氏に、結婚。
憧れの職業や、素敵な暮らし。
お金に、家。

大抵の場合、身近な人が持っているものを見て「私はそんなもの持ってない」と思うところから始まる。
自分の生まれてきた環境をくやしく思い、持っていないものを手に入れようとする。
それをハングリー精神と呼んでいたし、それは一概に悪いこととは思わない。

ただ、自分が当たり前のように持っているものに案外人は気づいていなくて、感謝もしていないことが多い。かくいう私もそうだった。
コロナで暇ができて、時代の流れに翻弄されることに嫌気がさして、「自分の生活を大事にする」ことを生きる基本としようと思った。

一目で気に入った新しい家を毎日のように掃除をし、花を生け、お香を炊いて整えた。
いらないものは捨てて、本当に気に入ったものだけを残した。
毎月のように買っていた服は、年に1、2回へと減った。
美味しい食材を手に入れ、その食材で自分が食べたいものを作り、食べる。
家族とも楽しい時間を過ごす。
そして、好きな時に旅に行き、好きな時に本を読み、小説を書く。

仕事を手放した代わりに多くのものを手に入れた気がしているし、それらが今の私には必要だったのだと思える。その証拠に、今までで、一番心が穏やかで、満たされているのを感じるからだ。
自分にとって一番大事なものは、時々によって変化する。その変化に気づかず今までと同じことを繰り返していたら、だんだんと「ずれ」が出てくる。それに気づかせてもらったのが、私の場合、コロナによる強制停止だったのだ。

時代がどうであれ、人がどうであれ、自分が一番大事にしたいものを一番大事にする。
それが今の私にとっては生活であり、家族であり、本、小説、旅のようなのだ。
これ以外のものは、趣味。時間がある時にやればいい。気が向いた時にやればいい。
これを書きながら、再度自分の一番大事なものがわかった気がした。
言葉にする、文字化するって大事なことだ。


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通りすがりのnoter Hiromi
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