見出し画像

否定せず活かす


以前、高校や大学での就職セミナーの講演をしていた際、学生の皆さんに質問していた。
「あなたが誰にも負けないと思うセールスポイントが今頭に浮かぶ人?」と。
ほとんど手が挙がらないのは、いつものことなので、次の質問を用意していた。
「では、自分がこれが苦手だな、こんな短所や課題が頭に浮かぶ人?」と聞くと、半数以上の人が手を挙げる光景をいつも目にしていた。

人は、いや日本人は、と言った方がいいかもしれないが、自分の長所より短所に目がいく、いや、目を向けさせられているのだな、と思っていた。私自身もそうだったから。褒められることが少なく、怒られることの方が多いと、どうしてもそうなってしまう。
褒め育て世代と言われる今の高校生でも、この結果なのだから、家庭で褒められていたとしても、「減点主義」が、学校や社会に根強く残っているからなのかもしれない。そんな背景から、「短所は修正しないといけない」と思う人が多いのかもしれない。

昨日あるセッションを受けた。その際、私は以前は長所だったかもしれないが、それが行き過ぎると短所になってしまうことを十分わかっていたので、「私ってこんな性格なんだな、とつくづく思い知りました」と言った。
すると、セッションをしてくださった方は、「それを否定するのではなく、違う形で活かせばいいんです」と言ってくださった時、「ああそうだ。活かす方法はあるかもしれない」と新しい発見をした気がした。

短所と長所は紙一重だ。
他の人から見れば、その短所さえも長所に見えることもある。

ある人は、自分が真面目でつまらないと思っていたが、周囲の人たちはその真面目さが羨ましいと言っていた。
優柔不断で決断に時間がかかると思っている人は、実は優しい人で、慎重に物事を考える人とも言えるし、継続ができないと思っていても実はいろんなことに挑戦している人だったりする。
短所ではなく個性だと思うことができたら、その活かし方も見つかるし、直す、という発想は必要なくなるかもしれない。

真面目な人は継続できる人なので、目標があればそれを達成するためにコツコツやっていけばうまくいくだろうし、決断に時間がかかる人は、研究や調査など時間をかけて行う仕事に就くといいのかもしれない。
逆に継続ができない人は、短期集中、期間集中でやってみれば成果が出やすいかもしれない。
個性に応じて工夫したり、やり方を変えることはできるのだから。
大事なことは、「この性格だからダメなんだ」と自分を否定してしまうこと。その性格があるから自分なんだ、と認めて大事にすること。
捉え方と活かし方を変えていくことで、短所という言葉が消えてしまうかもしれない、と思った。

私がセッションで気づいた、自分を否定していたことが悪いのではなく、私には一つ一つの経験から学ぶ姿勢があるんだ、と思ったら、また一つ自分を認めることができた気がした。


いいなと思ったら応援しよう!

Hiromi.U
サポートありがとうございます!いただいたサポートは、次の良い記事を書くために使わせていただきます!