とても難しい「お客様視点を持つ」と言うこと
多分多くの人にとって、「お客さま視点」「相手の立場で考える」とは
とても難しいものなのだろう。
先日、2社の不動産屋に問い合わせをしていた。
ここからが、分かれ道となった。
一つの不動産会社の営業の人は、翌朝9時に電話をしてきた。
私は基本的に知らない電話には出ないので、出なかったら、その後1通の
メールがきた。
予想としては、多分まだ若い営業マン。
そしてイケイケの営業マン。
もう一つの不動産会社の営業の人は、翌朝メールを送ってきた。
必要な資料を送付してきて、とても落ち着いた感じのメールだった。
多分ベテランまたは中堅の営業の方。
ガツガツしていない。余裕を感じる。
さて、どちらに私は返信をしただろうか?
言わなくてもわかりますよね。
この両者の違いは何か?というと、たった一つ。
「相手の立場に立って行動したのか」
だ。
今の時代、電話を嫌がる人が多いことを知らないはずはないし、さらに朝の9時なんて普通の人は平日だから仕事をしている。
そう考えれば、朝の9時に電話をすることは、捕まらない可能性も高いし、相手が仕事中に電話をすることになる、と、少し考えればわかる。
だが、この営業マンは「自分の都合」で電話をした。
夜中に問い合わせてきたお客を見つけ、自分が朝一番で電話して、幸先の良い一日をスタートしよう‼️
と思ったかどうかは、定かではないが、可能性はある。
一方の営業マンは、まずはメールで様子を見よう。
本気だったら、メールが返ってくるはず。
その後必要ならば電話をすればいい。
とても合理的だし、相手の迷惑にならないメールを使う、という、相手の立場も
考えていたかもしれない。
結局、後者の営業の方に私は返信した。
なぜ、この簡単な「相手の立場に立つ」ことができないのか?
おそらく「自分の利益」に目が眩むからなのだろう。
ビジネスは、ギブから始まる方がうまくいく。
つまり相手の立場で考え、相手のためになるように動くことで、その後のリターンがある。
何より、まず相手に信用してもらうことが大事だから。
もう一つ似たようなことがあった。
あるセミナーに参加した時のことだ。
少し知っている人が登壇されるから、と言うことでコラボセミナーに参加した。
実際に入ってみると、私の目論見が違っていたのか、資料なし、方向性、テーマなし。
2人の雑談をただ聞いているだけだった。
もちろんそんな方向性のセミナーだったのかもしれない。
私が知らなかっただけかもしれない。
このセミナーに何が足りないのか、を考えてみると、
「お客さま視点」
つまり、
聞いている人へのメリットがあるものの提供や、
聞いている人が共感しそうな体験、
聞いている人が知りたいことを想定して伝える
が全くと言って良いほどなかった。
これはフロントセミナーと言われるものだから、このセミナーが好評であれば
次につながる。つまり信用を得ることができたら、次のステップに進み、ビジネスにつながったはずだが、私はそっと離れた。
私も偉そうなことは言えないのはわかっている。
いつもいつも、お客さま視点でいるのか?と言われると、100%イエスとは言えないだろう。
それほど難しいものなのだと思う。
ただ、客室乗務員として、先輩方に鍛えられた。
たとえ天候で違う空港へ着陸したときに、お客さまから怒られても謝罪をする。
一人一人のお客さまをよく見て、アプローチを変える、
たとえ満席でも笑顔を絶やさない。
たとえ忙しくても、機内をゆっくり歩く。
などなど、無理なことをお客様のためにたくさんやってきた。
全ては、自分よりもお客様のことを優先する、という姿勢の表れだ。
もちろん難しいことだった。
大変だと思った。
でも、多分少しは「相手の立場に立って考えること」ができるようになったと思う。
奇しくも今日は、あの日航ジャンボ機の事故37年目だ。
あの墜落のギリギリまで、お客様のために使命を果たし続けた、コックピットと
キャビンクルー全てに、敬意と哀悼の意を表したい。