道徳科における導入の工夫 NO3
本シリーズでは、授業の入り口である導入の工夫について述べてまいります。導入で失敗すれば、子どもは授業に入り込むことはほぼ難しい状態になってしまいます。どうならないためにも本号では第3弾「インパクトのある資料を提示する」について私なりの考えを述べてみたいと思います。
*前回号と合わせてお読み頂けると幸いです↓
インパクトのある資料を提示する
1 インパクトのある写真の提示
コロナ禍で、オンライン勉強会が普及し、全国の多くの実践が簡単に学べるようになりました。
それが幸か不幸か、段々、道徳科の実践も形式化しているように感じているのは私だけでしょうか。
例えば・・・
導入では、アンケートの活用、主題(テーマ)の提示などが主流になってきているのではないでしょうか。
そこで、本号では新たな一手をご紹介いたします。
それは・・・
導入で子どもの興味関心を喚起させるという方法です。
そのためには、まず、写真(画像)や映像(動画)の活用がお薦めです。
例えば・・・
(内容項目:よりよい学校生活・集団生活の充実)
このように、写真の一部を見せたいものを隠して提示し、後で見せることでインパクトが残り、子どもの興味を惹きつけることができるのです。
2 インパクトのある社会的事例の提示
実は、世間を見渡すと道徳科で扱えるような社会的事例が数多く転がっています。しかし、それを見逃しているのが教師です。
その中でも、「学校独自のマナーや決まり」と社会とのギャップについては教師は盲点であり、子どもにも上手く教育できていない部分でもあります。
例えば・・・
「『ルールを守るのは社会秩序のために必要だ』と指導しながらも、社会には多くの例外が存在すること」
「『漢字を覚えることは大事』と指導するが、世の中では漢字を書くことはほとんどないという現実」
「『集団のために時間を守りなさい』と指導するが、社会では集団のためにサービス残業(時間を守らない)が当たり前」
このような事例を道徳科の導入で取り扱うことがお薦めです。
以上のように、学校文化とギャップのある社会的事例を提示することで、子どもは授業という枠を超えて考え始めるのだと思います。そのための、最初のステップを導入で提示することが重要なことだと思うのです。
次回は、道徳科における「拡散と収束の意味」について投稿致します。
*私のnoteでは、2週間に一度、「道徳科の授業づくり」について書いております。興味のある方はフォローして頂けると幸いです。