6か月とはんぶん。
6か月とはんぶん。
私が仕事というものから離れて過ごした期間。
なんだか唯一無二で、あまりにも長く感じる期間だった。
働かなくてよい楽さと本当に働かなくていいのかという不安。
仕事のことを考えなくてよい時間とどうしたって考えてしまう頭。
無職という晴れやかさと自分には何もないというような喪失感。
好きなものを買ったり食べたりする楽しさと同時にどうしても考えてしまうお金のこと。
前職から離れた解放感と毎日のように見る前職の夢。
自分がした選択に、心を守られたり、ぐちゃぐちゃにされたりしながら、なんとかやることができた。
分かってはいたけれど、仕事から離れたってどーんと落ちる時は落ちてしまったし、大丈夫な時はとことん大丈夫だったし、自分の心にいつまでも振り回されて生きている。
1か月まるっと心が安定してくれることはなく、反対にいつまでも落ち込んでしまうこともなかった。
だからこそ、自分の心に期待しては自分で自分を裏切って、傷ついて、本当に死んでしまいたいと泣くことしかできない日もあった。
でも、笑って過ごせた日もたくさんある。
心も身体も思う存分休めることができたし、思いをたくさん文章にして、自分の中を整理整頓できた。
好きなカフェにたくさん行ったし、美味しいものをたくさん食べた。
読書が趣味になって、新しい人や物語にたくさん出会った。
旅をして、好きな場所や時間ができた。
自分のことを大切にできる時間が増えた。
生活することの、生きることの楽しさや嬉しさが、少しずつ分かるようになった。
働いて、悩みができて、解決できなかったらどうしようとか、失敗してしまうかもしれないとか、日々に疲れて、また生活が楽しくなくなったらとか、向いてなかったらとか、まただめになったらとか、今の自分にはそんな不安の種しかないと思えてしまう。
思えてしまうけど、生活することを、自分を整えることを思いきりやった6か月とはんぶんがちゃんとあるから、私はきっと生きていける。大丈夫。
どんなに忙しくても、疲れても、自分が一番自分のことを大切にしてあげようと思う。