目に見えるものの裏にはストーリーがある◤ゴッホから学ぶ障害者支援◢@家族のための障害者支援学 【1時限目】
こんにちは、内ノ宮 基です。
少し視点を変えた記事を書きたいと思います。
新しい企画です。
早速どうぞ。
家族のための障害者支援学とは?
「家族のための障害者支援学(通称:障害者支援学)」としてシリーズ化します。
家族として、身近な人として、知的障害者の人を支援するためのヒントになりそうな情報をお伝えします。
私自身、子供の頃は勉強嫌いでした。
しかし、大人になってから学びには総額数百万円は投資しています。
その学んだことのエッセンスを障害者支援に役立つ方法として凝縮しました。
なるべく幅広い視点から、障害者支援に繋がりそうな話題を記事にします。
時には少しタメになる雑学も織り交ぜる予定です。
時には自己啓発的な面も出ると思います。
むしろ本学を抽象化して自分に合わせた具体化をすれば自己啓発にもなります。
また、時には強引に結論を結び付けることもあるかと思います。
広い心でお読みいただければ幸いです。
※障害者支援学校ではありません。障害者を支援する学びだと思って頂ければ幸いです。
ゴッホから学ぶ障害者支援
ゴッホについて
唐突ですが、ゴッホという画家はご存知ですか?
という質問は野暮なほど有名な画家の一人です。
私が個人的に好きな画家です。
(とは言え、私は美術に疎い方ですが…)
そんなゴッホですが、生前は絵が1枚しか売れなかったという説が有力で、現在も語り継がれています。
つまり、彼が世界的に評価されたのは死後です。
彼を支え続けてきた弟のテオや友人との手紙が大量に残されており、生涯が波乱だったことでも知られています。
ゴッホは精神障害を患っていたとされ、晩年は修道院で療養していました。
そこで描かれた絵(つまり晩年の絵)は、うねりのあるゴッホならではの躍動感のあるタッチのものが多く占めます。
このタッチが好きな人も多いですよね。
晩年の名作「星月夜」に隠された秘密
その中でも私の好きな絵の一つ「星月夜」。
ゴッホが亡くなる1年前に描かれたとされる「ひまわり」と並ぶ代表作の一つです。
うねりのある一本杉、月や星の輝き、躍動感のあるうねりが特徴的な背景などインパクトに残る絵ですよね。
この絵のタッチは精神障害を患ったからなのか、実際にこう見えていたのか。など様々な想像ができますよね。
ゴッホの魅力は波瀾万丈な人生(ストーリー)も含まれると思います。
ストーリーと絵の両方を知る事で深くなる画家の1人だと思ってます。
ただ、この絵に関しては一つ重大なストーリーが隠されています。
実は
「ゴッホが療養していた部屋からはこの村の風景は見られなかった。」
と言われているのです。
つまり、存在しない村(風景)が描かれている絵なんですね。
そう聞くと「画家だから多少は脚色したんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし、ゴッホは元々印象派の画家です。
印象派とは見た現実をそのままキャンパスに表現する芸術主義のことを言います。
故に印象派の画家は光の表現などにもこだわり、その場の空気感や臨場感を伝えることを重視しているのです。
そんな印象派のゴッホが村を大胆に書き足すでしょうか?
少し考えにくいですよね。
元々印象派だったという経歴と精神障害を患っていることから、ゴッホは幻覚で過去の記憶と混ざり、この絵を描いたのではないかと言われています。
目に見えるものの裏にあるストーリーを見よう!
さて、前置きが大分長くなりました。
ですが、この話を伝えたことには意味があります。私が書いていて楽しい話題だからです。失礼、本音が出てしまいました。
真面目な話に戻ります。
私がこの話から伝えたいことは、目に見えるものの裏にあるストーリーを観てほしい。と言う事です。
普通に「星月夜」を見て、「村についてどう思う?」と聞かれたら「パッと見で気づかなかった」や「結構細かく描いてるね」ぐらいの印象でしょう。
まさか、その村自体が無いなんて思いますか?
この実在しない村が描かれているという事は、目に見えるもの(絵)の裏にあるストーリーです。
目に見えるものだけを見ていると気付けない事があるのです。
裏を返せば目に見えないものを観ようとすれば新しい発見は見つかります。
見るよりも観るなのです。
「見る」とは無意識に目で捉えることです。
対して「観る」とは、意識して物を観ることです。
絵画を見るではなく、絵画を観ると言いますよね?
絵画は無意識で見るのではなく、意識的に観て欲しいという思いがあるのだと思います。
意識して物事を観る事で気付ける確率が上がります。
これは障害者支援でも同じです。
私の弟(軽度知的障害者)も目に見える部分は、おかしいところはありません。
軽く付き合うだけなら、おかしい部分に気付きにくいです。
実際に知的障害者向けの職業支援センターの担当者の人にも普通と変わらないと言われるぐらいです。
ただ、行動をしっかりと観た上で
なぜこうなった?
この違和感はどういうこと?
どうしてこの行動を取った?
など、詳しく考えると見えてくるストーリーがあるはずです。
大事なのは違和感を感じたら、その裏にある事情を考えるのです。
その事情を見つけるために必要なのが
問い
です。
そして、その問いは確認や考察する事で仮説となり、更に実証や考察することで裏にあるストーリーの解像度が上がります。
最初にゴッホの星月夜に描かれている村に気付いた人も違和感を感じたのでしょう。
「あの部屋から村なんて見えたっけ?」と。
その問いを確認したところ、村なんて見えませんでした。
そこからゴッホの事情を踏まえると、先に話した星月夜の裏にあるストーリーが浮かび上がるのです。
同じ様に、知的障害者の家族も本人が気付けない(あるいは分かっていても言わない)裏のストーリーに気づいてあげる事が重要なのです。
これがまず違和感を感じた時に行う現状把握にも繋がります。
まとめ
違和感を感じたりしたら無意識に見るのではなく、意識的に観ることを心掛ける
問いを意識することで仮説を立てよう!
目に見えない部分(裏のストーリー)を観る
以上となります。