生き様は間違ってなかった
序章
久々の読書感想文。今回の本はこちら。
これもいつしかに欲しいものリストに入れていた本である。
私は本来ならば今大学生をしているはずの身であったのでこの大学に関しての内容は興味があった。帯を見てもらうと一見悪口とも捉えられるようなことが書いてあり、興味を余計そそられたのを思い出した。
最終的に買う決め手となったのはとある大学生と縁があったことだ。別にこの本的な内容を喋った訳ではないが、大学というkeywordに引っかかりを覚えたのだろう。
本章
初発の感想
非常に面白かった。大学というか研究者(大学教授)に対する印象が少し変わった。個人的には生き様を改めて再認識するきっかけにもなり、ずっと手に残しておきたい本の一冊となった。
本を読むのがちょい久々だった私でブランクでも感じるのかなと思っていたが、著者:酒井敏氏の文章スタイルが結構砕けた文章スタイルで例えもわかりやすくすんなり頭に入ってきた。久々の読書的な意味合いでもちょうどよかった。
ここでいう“野蛮”とは
本書のタイトルを見てもらいたい。
『野蛮な大学論』
野蛮とはどういうことなのか?私も読む前から気になっていた。もういってしまうと“アホ”である。アホなことをしようぜということだ。詳しくは本書を読んで欲しいが、研究者のやっていることは非常に頭の悪い行為であり、スマートではないということだ。一見ここだけ聞くと飛んだ悪口に聞こえるかもしれないが、決して馬鹿にしているという訳ではない。
研究(または実験)というのは失敗の連続。99の失敗があって1の成功がある。そういうものだと言う。さらにここでいう研究は答えが出ていないものに対してのもの。すでに解の出ているものを追研究(追実験)する高校までの実験ではなく、道なき道をいくものだ。道なき道を行くというのは常識的に考えればリスクが大きい。だから頭のいい(小利口)な人はそんなことはしない。ただ何かあるはずだという内発的報酬を脳が期待させ道なき道を行くーー野蛮な道を進んでいくのがここで言う研究者であると著者は述べている。しかもそこには目的などなく純粋な興味で動いている場合がほとんどだ。
この上記の研究者精神が今の社会には足りないと言うのが現状らしい。純粋な野性の勘で目的もなしに野蛮な道を進み続ける。
ただそもそもこの野性的な行為は必要なのかという問いが発生すると思うが、実は必要だったりする。目的に沿った真面目な行動ばかりとるのは我々人類の可能性を閉ざしてしまう。一見なんの意味もないだろうという行為こそが意外と問題解決の糸口になったりするというのはよくあることだ。そしてこの一見そんなことなさそうなことが解決策になるのが面白いのだ!
私も実はここ1年はこういう野性の勘的な生き方をするように実は心がけてきた節がある。純粋な興味で色んなことをしてみる。大事なことだと改めて感じた。と同時に私の生き方は間違ってなかったんだなと少し自信も持てた。
教養も大事
私は教養は大事派の主義をとっている。そんなことよりも社会通念やらビジネス常識やらのが必要だろとか思われるかもしれないが、生憎まだ社会人でもないせいかそこまで私は重要視していない。というかつまらない常識ほどいらないと私は思っている。
本書では教養はある種のガラクタだと書かれているが、これは問題解決に必要なものをガラクタの中から探し当てるという例えである。頭の中の知識や経験を引っ張り出して解決糸口を見つけることがある。これは必要そうなことだけを頭に入れている人よりも強い武器となる。だから教養は大事なのだ。
これもまた自分の生き様を肯定してくれたように思う。昔からお勉強は好きな方でそれなりにやってきた。知的好奇心も今は少し減りつつあるが、つい1年前までは並よりはあったと思う。知的好奇心はこれから年々減ってくだろうが、それでも教養を身につけるのは大事にしていきたい。
終章
先述の通り私は本来であれば大学生を現在しているはずの人間だった。この本を読んでちょっと大学生したいかもと思った節もある。ただもう20歳。21で大学1年生は少し悩んでしまう。受験もどうすんねんという感じ。なかなか高い壁だ。上記のことを踏まえれば足を踏み入れるのがいいのだろうが、どうしようか...