アートギャラリーも兼ねる、ディプティックの新「アパルトマン風ブティック」
香水メゾンのディプティック(Diptyque)が、パリ1区に「アパルトマン風ブティック」をオープンさせたというので、行ってみた。
なんでもここは、ブティックとアートギャラリーの中間に位置するお店だという。
店舗面積は400㎡、パリのリュクスなアパルトマンを彷彿とさせる贅沢な造りだ。
店内は、リビング、キッチン、バスルームという風に区切られていて、各所に香水やキャンドルがずらりと並んでいる。
パリ発祥のディプティックだが、数ある店舗のなかでもこちらがいちばん広い。
まずは、キャンドルの素敵な香りに出迎えられる。
入ってすぐに、センシュアルでグルマンな香りに出迎えられる。
鼻腔から感じているはずなのに、なんだか、皮膚や毛穴までが匂いを感じ取っている気がした。
エントランス右手にはカフェもあった。
これはパリの老舗カフェ「CAFÉ VERLET」とのコラボだそうで、コーヒーのほかマフィンやサラダといった軽食も用意しているそう。
螺旋階段をしずしずと昇っていくと、二階にはリビングスペースが広がっていた。
サロン(リビング)の奥には、リュクスなバスルームが。
そこには、ディプティックの香水瓶をかたどった楕円形の鏡がある。
モザイク、寄木細工(風)、石を組み合わせた美しい装飾だ。
日本の寄木細工のようだったが、フランスの美意識というフィルターがかかったいるためか、まったく別ものに感じた。
個人的に興味深かったのは、香水ミュージアムがあったことだろう。
もちろんディプティックの歴史に限っているが、貴重な資料をこの目で確認できたのは嬉しい。
ほかにはワークショップ専用の部屋もあって、香りと関係のないフラワーアレンジメントやペインティング、鉢植えなどのプログラムが用意されている。
ちなみにここは期間限定ブティックで、2024年4月19日から2027年末までのオープンだ。
ディプティックファンにはもちろんだが、そうでない方もきっと、ちょっとした「非日常」を味わえるだろう。
そういえば、パリではゲラン本店でも定期的にアートのエクスポジションを開催している。
匂いとアートを融合させるのはやはり素晴らしい。
嗅覚への刺激って、視覚の刺激よりも「己のリカバリー」に効くんじゃないだろうか。