ドラッカーのマネイジメントを読んで
組織人の端くれとしてなんとな~く読んでおかないといけないかなと思う本が二冊ありまして、一冊は「孫子の兵法」、もう一冊が今回紹介するドラッカーの「マネジメント」です。
この本が書かれたのは1974年。古い本なので、かれこれ45年たった現代のビジネスシーンにマッチするのか?という疑問を持ちながら読みました。
マネイジメントに関する細かい定義や方法論は多少古いところもあるかもしれませんがこの本の素晴らしさは骨子です。特に印象に残っているのはマネイジメントの役割とマネジャーの資質に関してです。
マネイジメントの役割は
・組織本来の役割を果たす(ミッションを達成する)
・生産的な仕事を通じて人に成果をあげさせる(組織で働く人たちを活かす)
・社会と個人に生活の質を提供する(社会に貢献し、個に自己実現の場を与える)
どこにも業績や利益は出てきません。組織が存在するのは役割を果たして、人を活かし、社会に貢献するためなのだそうです。では利益はどうでもいいのか?と言うとそうではなくて、ドラッカー曰く利益は目的でなく、手段なんだそうです。
何故利益が大事かというと利益はより良い労働環境や、社会的なサービス、満足を生む原資となり、リスクに対する保険になるから。利益がないと給与も払えないし、社会的意義がある活動もできないし潰れるリスクもあるということですね。
マネージャーの資質
マネージャーの資質は才能ではない。真摯さである。
日本語では「真摯さ」と訳されてますが、原文ではIntegrityという単語になります。Integrityっていう単語はピタッと来る訳がなく、うまく訳せない言葉の一つで、「真摯さ」と言われるとちょっと≠(ノットイコール)な感じがします。
ウィキペディアによりますと「正直さの実践と共に、高い道徳・倫理的な原則と価値観を持って一貫し、妥協なくそれらを遵守する振る舞いを指す」と書いてあります。ものすごい高尚な感じですが、私自身は「ゆるぎない大儀を持ち、自分の行動すべての判断基準とすること」と解釈しています。
とにかく知識や能力や経験や、そんなものは後からいくらでも学べばよくて、一番大事なのはIntegrityだとドラッカーは言ってます。何故なら後天的に身に着けることが難しいから。
終わりに
全体はかなりの文量ですので2項目のみ抜粋しました。組織の存在意義や役割、企業の目的など、高度成長期時代と失われた30年を経て、価値観がすっかり変わりつつある現代の日本でも活かせる本質なのではと感じました。
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