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たのしい残酷エンターテイメント「ゾンビ屋れい子/REIKO THE ZONBIE SHOP」を読め!!

「俺はこの週末に稀代のエンターテイメントコミック「ゾンビ屋れい子」を4巻(全11巻)まで読み、満足……満足はしている。紛れもない大傑作だった。だが、俺調べ五つ星の喫茶店で旨い旨いコーヒーを飲み、すんなりと日常に帰る……わけにはいかない」

「他に何かないか……あと一押し、ゾンビ屋れい子を多くの人に広める方法……!!」

「百合川ッ!!そんなものか!? "29人幼女連続殺人鬼"のキャラクターはそんなものか!?」

(ムクッ)

「"期間限定まとめ買いで約半額"になにか用か?」

「そうだ"期間限定まとめ買いで約半額"に用だ!!」

武器商人ゾンビが(スッ)武器(Amazonへのリンク)を差し出す。

ドッドッドッ バルルン!! 
ドッドッドッ

ドッドッドッ ドッドッドッ

「これがウィンターセールチェーンソーだ! 販売価格を真っ二つにしてやる!!こいつで新規読者をぶっ殺死ろす!!」

我々はまきちゃんのこの記事に深いリスペクトを捧げます。


よく来たな。
『ゾンビ屋れい子』は三家本礼先生によってコミックホラーMに連載されていた『ゴシック少女ホラーコミック』だ。私も一部の数寄者が「ヤベー!コレヤベー!」と叫んでいたのをよく覚えているが、私にとってはこれまで触れることがなかったジャンルの作品だ。

しかし、2018年は映画やエンターテイメントジャンルに深く触れた1年であり、その総決算としてこの作品に触れておくのも良いと思い今回初めて読んでみることにした。(和訳:Amazonのウィンターセールで買っちゃった!)

1巻のあらすじ

死人に口なし。この世では、あらゆる不幸な事件事故が闇から闇に葬られてきた。しかし、我々には"ゾンビ屋"がいる! 死体を蘇らせて真実を語らせる"ゾンビ屋"が!!

見どころ。
鮮烈な印象を残す第一巻。1巻だけで完結しているのでこれを読んで続刊の購読を判断をしてもよい。
ゾンビ屋女子高生が日常に潜む不幸の墓をあばき恐怖の名のもとに支配する。一方で美人連続幼女殺人鬼百合川サキが登場し、二人は町の表裏でニアミスを繰り返し、やがて運命に導かれるように病院で出会うことになる。百合川サキがとにかくヤバイ。あらゆる行動が決断的で容赦がない。ニンジャスレイヤーさん並の地獄の猟犬だ。
1巻でサイコーのキャラクターは、V系バンドのヴォーカル。病気で余命いくばくもないヴォーカルマンは「ステージ上で絶命したら俺をゾンビにしろ」という熱い魂でゾンビ屋と契約をしてステージに赴く。しかし、事態は予想外の方向へ転がりだしバンドマンが急にゾンビを蹴る! 死を賭したものだけが見せる最後の輝きを描いた人間賛歌エピソードだ。

Amazonレビューより

2巻のあらすじ

姫園れい子と百合川サキが死んだ廃病院に謎の集団が訪れた。彼らは手に魔方陣を刻印された「ゾンビ使い」であり、最強のコマとしてれい子を奪い合う《光と闇のゾンビ使い》の戦争が始まろうとしていた。

見どころ。
完全に完結した「ジョジョの第1部のような」1巻の続きをどうするんだと思ったら超展開できれいに帰ってくるという離れ技を見せる。リブートでも年代ジャンプでもなく普通に帰ってくる。そして、繰り返される姉妹のモチーフ。少女ホラー誌の定型を用いながらも、異彩を放つ唯一無二のゾンビ召喚アクションスタイルが確立された。
次々と登場する光と闇のゾンビ使いのキャラクターと多彩なゾンビもいいんだけど、やはり最強ラスボスが味方になるという鮮烈なデビューを見せた【ゾンビ名:百合川サキ】でしょう。この人、ただの殺人鬼なのになんでこんなに強いの。(生前からです)

Amazonレビューより

3巻のあらすじ

姫園姉妹の確執に決着!!文字通りの死屍累々を舞台の最終決戦は白亜紀ゾンビやチェーンソーゾンビが飛び交う大盤振る舞いの最終決戦となった。ゴルゴみたいなポーランド編もある。

見どころ。
白亜紀のゾンビだ。特に説明もなく白亜紀ゾンビが登場して暴れまわる。『ゾンビ屋れい子なら「暴れまわるラムフォリンクス」を簡単に挿入できます。ビジネスにも最適』姫園リルカの"ゾンビ屋と"しての経歴が明らかにされ、これまで大切に保持されてきた伏線や主人公格のキャラクターが全員死ぬ。人が死ぬエンターテイメントは楽しい。
特に説明もなく出現するニンジャのゾンビや武士ゾンビ。斧ゾンビに色々ゾンビ。●●ニンジャ、●●力士、●●ゾンビで全てのフィクションをカバーできるという学説が立証された形になる。わかったか。

Amazonレビューより

4巻のあらすじ

平穏な日常を取り戻したれい子の近辺で巻き起こる死と死と死の薔薇色スクールデイズ!そして、あの人物の妹が目を覚ます…‥!?

見どころ。
第4巻は日常回が続く比較的平穏な回だが、ゾンビ以外の驚異にゾンビ屋能力と機転で立ち向かう等シチュエーションホラーを取り入れた作劇が目立ち(あの世界にゾンビ屋がいたら?)という「ゾンビ屋」ワールドの多様性、物語強度を物語っている。

また、ゾンビ屋れい子の洋題「REIKO THE ZONBIE SHOP」が明らかになる。サービス業ではなく小売りであることが判明したが、三家本礼先生からコメントを頂き「あきらかに間違っているんだけどフックとしては最強」と説明をしていただいた。同感です。AUTO BODY SHOP みたいでかっこいいですよね。これは《間違っているから正しい》#ありがとうございます

Amazonレビューより

この倫理観ゼロの世界へようこそ

ゾンビ屋れい子の世界では、倫理観がほぼほぼ役に立たない世界観ですが作者が狂っているというわけではなく「確かな倫理観を持った作者が描く倫理観のない世界」なので、まぎれもなくエンターテイメントです。
また、1998~2000年代にホラー誌で連載されていたのにも関わらず「大予言」や「アンゴルモア」等をモチーフとした存在が登場せず、いたずらに終末思想をまき散らすことなく人間賛歌を描こうとする姿勢に理性を感じます。理性によって導き出されたものが大量ゾンビ大量死と白亜紀ゾンビであることには目をつむることにする。

一方で倫理観が大きくズレた「一面的な良き事」を声高らかに歌い上げる恋愛ヒューマン感動ドラマは逆に私にとってはサイコスリラーです。

未来へ

今のところは以上です。
非常に大切にスローペースで読み進めています。本領発揮はこれから先とも聞くので、覚悟して備えよう。

「ゾンビ屋れい子」は、近年メインストリームのパンデミックとかゾンビ禍とかショッピングセンターとは別の方向性に進化をしていてゾンビの可能性を感じます。血と肉弾とプリミティブな醍醐味に満ち、僕らの考えるゾンビは狭量ではないか、もっと自由にゾンビを扱っても良いのではないかというメッセージに満ちています。我々はゾンビの権利やメタファー感に囚われず、もっと真剣にゾンターテイメントを考えるべきではないだろうか。

私は力士でフル活用しています。活用しよう非実在力士!

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お望月さん
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