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ぼくのきおくの書

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忘れてしまわないように。
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#雪

わたしの心に雪が降る

わたしの心に雪が降る

空から雪が降ってくる
わたしだけが
窓の外の雪をみている

雪が降ると
音がなくなるのはなぜだろう
雪が降ると
時がとまるのはなぜだろう

降り積もっていく雪をみていると
わたしの空っぽの心が
満たされていくような気がする

雪にはすぐ溶ける雪と
そのまま積もる雪がある

雪は冷たいのに
心があたたかくなるのは
なぜだろう

やまない雪

わたしの町に雪が降っていた。真っ白な小さなものが空から降ってくる。このあたりでは、年に数回しか目撃しないので、50年生きても100回しか出会わない。雪が降ってくると心はかすかに踊る。

予報ではすぐにやむとあったが、低く垂れ込めた雨雲はまちのうえに居座り、雪は降ったりやんだりを繰り返していた。

「すぐにやむから」とわたしが言ったので、娘は傘も持たずに前髪を守りながら駅へと駆け込んで行った。あの後

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