やまない雪
わたしの町に雪が降っていた。真っ白な小さなものが空から降ってくる。このあたりでは、年に数回しか目撃しないので、50年生きても100回しか出会わない。雪が降ってくると心はかすかに踊る。
予報ではすぐにやむとあったが、低く垂れ込めた雨雲はまちのうえに居座り、雪は降ったりやんだりを繰り返していた。
「すぐにやむから」とわたしが言ったので、娘は傘も持たずに前髪を守りながら駅へと駆け込んで行った。あの後、電車を降りてからは雪にぬれてしまったかも知れない。
わたしの町に雪が降っていた。真っ白な小さなものが空から降ってくる。このあたりでは、年に数回しか目撃しないので、50年生きても100回しか出会わない。雪が降ってくると心はかすかに踊る。
予報ではすぐにやむとあったが、低く垂れ込めた雨雲はまちのうえに居座り、雪は降ったりやんだりを繰り返していた。
「すぐにやむから」とわたしが言ったので、娘は傘も持たずに前髪を守りながら駅へと駆け込んで行った。あの後、電車を降りてからは雪にぬれてしまったかも知れない。