「マミートラック or 激務の2択以外にも選択肢はある」 ”全方位外交”で国のルールも変えていく元総務省PA担当
Ubieで活躍する女性メンバーにフォーカスを当てるインタビュー企画、Women at Ubie第1弾。
今回のインタビューイは…
Tech業界およびスタートアップにおける女性比率はまだまだ低い中で、Ubieでは様々な施策を通して女性リーダーシップ比率30%を目指しています。(詳しくはこちら)
幅広い事柄に関われるのに魅力を感じ、総務省へ
元々父親がずっと仕事で海外にいた関係で、海外で働くことに関心が高かったので、大学では政策学部で国際政治を専攻していました。一方、母親は多少保守的なところがある人だったので、親に心配かけずに海外で働ける仕事ということで外交官を目指すことにしました。国家公務員Ⅰ種(当時)合格のために予備校に行ったのですが、指定校推薦でセンター試験も受けずに大学に入ったので一次試験は苦しみました。笑
合格した後は官庁訪問といって行きたい省庁を選んで面接にいけるのですが、第一希望はもちろん外務省、第二希望としてデジタルに関われそうな総務省を選びました。面接を通じて色々と話を伺う中で、総務省であればトピックごとに国内外問わず広く関われるのに魅力を感じ、総務省に入省を決めました。
マミートラック or 激務の2択に限界を感じ、スタートアップへ
総務省に入ってはじめは重要な会議の運営等をしていたのですが、1年目の冬に東日本大震災が起き、戦略関連の議論がすべてストップしたため、私個人としては仕事が激減しました。「国の一大事に公務員がこんなに暇でいいんですか」と抗議していたら内閣府の防災担当に異動となり、大震災後の制度改正や予算編成に携わることになりました。官邸での会議や複数の省庁とのやりとり・調整を通して「国の役割とは何か」「本当に人のためになる施策とは何か」など多くのことを考える機会になり、この経験はその後の公務員キャリアの土台となりましたね。その後はまた通信関連に戻ったり、公正取引委員会に出向したり、自治体向けのAI導入のプロジェクト等に従事していました。
転職のきっかけは2つあります。一つは総務省として通信に携わっているとラストワンマイルの生活者に届けるところはどうしても事業者に任せになってしまい、もっと自分の仕事に手触り感がほしくなったこと、もう一つは子供が産まれたことでマミートラック(*)に乗る or 子育てを犠牲にして激務をするの2択しかないと感じたことです。自分が社会の役に立っているという実感を持ちながら、激務でもマミートラックでもない道はないのかだろうかと他の道を模索しはじめました。
そこでフルフレックス・フルリモートという条件で調べてでてきたのが、UbieのPublic Affairs(以下、PA。いわゆる政策渉外担当)の募集で、カジュアル面談を申し込んでみたら、そこからトントン拍子に内定が決まりました。フルフレックス・フルリモートという条件だと外資とスタートアップしかなかったのと、通信やデジタルで人の役に立つ仕事がしたいと思っていたので、最終的には某外資系大手とUbieの2択になりました。最終的には日本のスタートアップの方が、自分で仕事を開拓して担当領域を広げていけるのではないかと思い、Ubieへの入社を決めました。
Ubie入社の決め手はカルチャーがちゃんとワークしていたこと
良いギャップはカルチャーをとても大切にしていたことです。発信しているVisionや組織思想がお題目になってたり、形骸化するのはよくあることですが、Ubieではそれらがちゃんと実装され、ワークしているのに驚きました。
悪いギャップは今回の転職では「仕事も育児も両取りでがんばるぞ!」と思っていたはずが、仕事や一緒に働く仲間が楽しすぎて仕事および飲み会に時間を割きすぎてしまうことですかね。 想定していたよりもワークライフインテグレーションが進んでいるなという。笑
官僚として培った強みを活かしながら、多くのプロジェクトに携わる
PAとbiz兼務で入社したので、当初は自治体や医師会とのリレーション構築を担いながら、生活者向けプロダクトのユーザーサポートの立ち上げを兼務していました。当時、症状検索エンジン「ユビー」の利用者数は月間100万人ほどだったのですが、プロダクト上で簡単に問合せができる窓口がなかったので、ツールを導入したり、セキュリティチームを巻き込んだりしてユーザーサポートが回るように整備しました。
その後は事業開発や法務を手伝ったりしていたのですが、だんだんPAとリスクマネジメントが主な仕事になっていき、マイナポータルのAPI連携のプロジェクトや、セキュリティガイドラインに関する当局との調整などを担当しました。
色々なプロジェクトをやってきましたが、私自身が飽き性でずっと同じことをしたり、同じドメインを深めていくのが苦手なのでアサインが色々変わるのは楽しかったですね。アサインは変わっている一方で、すべてのプロジェクトで官僚として学んだことや強みが活きていると感じているので、そういう意味では一貫性はあるのかなと思います。
マイナポータルの連携は戦略通りに進めることができた"攻めの仕事"
その中でも一番やりがいを感じたのはマイナポータルAPIの自動連携を政策提言していくプロジェクトですね。事業インパクトが大きいのはもちろんですが、「国のルールを変えに行く」という意味でPAにしかできない仕事だったと思います。
Ubieやユーザー、もっといえばPHRに関わる全てのステークホルダーにメリットがあることはかなり前から分かっていたのですが、こういった話を政府にアジェンダとして取り扱ってもらうには個社で要望しても通らないので、業界団体の中で生成AIガイドラインの策定や発信などの取組を行っていき、業界としてメッセージを出せる環境を整えることで正式な要望の機会を得るに至りました。政府・業界・生活者それぞれに利益のある話なので、実装に向けた政府方針が出て素直に嬉しかったです。他のプロジェクトと比べて時間がかかるものでしたが、当初自分が考えていた戦略通りに進めることができたという点でもやりがいを感じましたね。
それまでのPAの仕事は規制当局との日々のリレーションや調整など、どちらかというと「守り」の仕事が多かったのですが、この件は役所出身としての勘所を活かしたうえで、「攻め」のプロジェクトができたのも楽しかったです。
強みを活かして"全方位外交"を展開
Ubieの人に自身の強みを聞かれたときは「全方位外交」と言っています。これは言語化が難しいのですが、薄く広く全体を見ながらある程度何でもできるのが自分の強みかなと。誰が何をやっていて、誰に聞いたりお願いすればことが進むのかを把握して、そこでわかったキーパーソンと関係性を深めるのは社内外問わず得意ですね。
幼少期から色んな大人に囲まれていて、色んな話を聞いていたので「つまりはこういうこと」と要点を抽象化して理解するのが得意なのと、元々人間が好きで相手に心を開いてもらうことに生き甲斐を感じるタイプなので、それが自分の強みに反映されているのかなと思います。
仕事は自分と自分の周りの人を幸せにするための手段のひとつ
人生においては自分と自分の周りの人が幸せであることが一番大事だと思っています。「周りの人」の定義には自分が直接リレーションがある大切な人はもちろんですが、その人達の大切な人くらいまでは笑って過ごしてほしいという根本的な願望があります。
仕事はその手段の一つとして位置づけていて、Ubieの仕事は「人の健康寿命を伸ばすことに貢献できる」という意味で上記に一致しているなと思います。「人の役に立っている」と実感できることは働くうえで重要な要素なので。あとは一緒に働く同僚と笑って過ごせる関係性があるかも重要ですね。そうすると会社の飲み会が楽しすぎてパートナーからお小言を頂戴することもあるのですが。笑
今は楽しくて最高な仕事・仲間・家族・友人たちに囲まれていてとても有難いと思っています。Ubieの仕事はやっぱり社会価値の最大化が一番重要なメトリクスだと思うので、これからもそこに自分がどう貢献できるかを突き詰めていきたいです。
もしUbieがミッションを達成してい本当に社会のインフラになることができれば、その後は小料理屋とかやりたいですね。笑 PAの仕事はわりと向いていると思いますが、PAとして独立するようなイメージは持てていなくて、だったら自分の大切な人とカウンターでしっぽり飲める場をつくりたいなと。あとは今は仕事や家族のこともあって学生時代にあった海外で働きたいという気持ちは薄まっていますが、子供がもっと大きくなって留学したりしたら、私もどこかの国に行こうかな〜などと妄想しています。
優先順位一位が家族なのは揺るがない
仕事は私の人生にとってとても重要な存在ですが、優先順位一位が家族なのは揺るがないですね。昨日も社外の方とのミーティングがあったのですが、どうしても外せない家族の急用が起きたので同僚にお願いして代わりに出席してもらう、ということがありました。
仕事に対しては「絶対に自分じゃないとできない仕事というのはなく、究極的には代替可能だ」と思っています。一方で母親業や家族は自分にしかできないので、そういう意味で仕事と家族がコンフリクトしたときの意思決定に迷うことはあまりないかもしれません。
お題目としての女性活躍にはリスクが大きいのを実感
女性の活躍というと前職で「女性採用30%以上」というのを掲げていたのですが、採用の裾野を広げることになったのはとてもよかったと思う一方で、アサインや登用の基準自体が歪んでしまったのを目にしました。
手段であるはずの数字が目的化してしまって、属性だけに重きがおかれたり、「このポジションは女性でうまくいったから次も女性でいいよね」というように安易な意思決定行われたりなど、安易にお題目としてDEIを推進すると属性だけが一人歩きするリスクが大きいんだなというのを実体験として学びました。
UbieのDEIは事業成長という目的がはっきりしていているのが違い
今回のUbieでのDEI推進に関しては、目的がかなりはっきり言語化されていて、事業成長のために盲点を減らそうというのがクリアなのがいいなと思います。実際にすでにメリットも見えてきていて、これは一例ですが、生活者向けのサービスで女性医師の写真を掲載したらCVRが向上した例など、事業成長に繋がっているなと思います。
自身の属性を強く意識したのは子どもが生まれてから
前職では「(女性枠的な雰囲気で)飲み会によく呼ばれるな」というのはありましたが、そのお陰で自分のコネクションが広がったので、当時の自分は多くの機会をもらえて有難いくらいで認識していた気がします。
一方で母親になった瞬間に、転職理由でも話したような難しさを感じました。マミートラック vs 激務の二択になるケースは前職問わず多くの女性が直面している課題なのではと思います。会社の方針が変わることを期待したり、変えていくために働きかけていく選択肢もありますが、会社が変わる時間軸と子供が成長する時間軸で前者の方が圧倒的に遅いなら、個人的には環境を変える方を選択しました。
前職の後輩の女性たちに先例を見せられなかったのは申し訳なく思っていますが、せめてもの償いとして、辞めるときには前職の改善点などをまとめたペーパーを管理職に渡しました。それでもやっぱり変化は時間がかかるものだと思いますが。
Ubieにおいては子育て世代がかなり多いこともあって、今のところそういった困難を感じることはないですが、強固な文化を持つ会社な分「モノカルチャー」のデメリットはあるのかもしれません。誰かを排除する意図はないものの、もしかしたら集団の多様性を阻害することになっているのかなとか。例えばこれからもっと非日本語話者のメンバーが増えたときなどにはまた大きな変化を求められるのかなという気はしますね。
UbieはEasyではない分、自由度が高く社会インパクトに向き合えるのが魅力
Ubieという会社は決してEasyな場ではない思います。スタートアップかつカルチャーが強いというのはありますが、常に変化進化が求められるという意味でタフな環境だと感じます。
一方で働き方も成果の出し方も役割もかなり自由度が高いので、自分の意思さえあれば事業も組織も自分で変えていけるというのは面白いかなと。自分の実力を思う存分発揮したい、かつそれで社会インパクトも追求したい、という人には向いていると思います!
UbieのDEIサイトはこちら▼
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カジュアル面談もありますので、ご興味ある方はぜひメンバーとお話ししましょう!