初心者がゆく美術館「北斎と広重 富嶽三十六景への挑戦」
令和6年7月から発行される新千円札に
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が描かれますね。
浮世絵師葛飾北斎の魅力を知人から教わり、
一度はこの目で見てみたいと
つよい関心を抱いておりました。
現在、大阪市北区にある中之島香雪美術館では
葛飾北斎と歌川広重展が開催中ですが、
前後期で作品が大幅に入れ替わるとのことで、
2024.5.8→5.26までの期間では
後期展示会となっているため
もっとも有名な
「神奈川沖浪裏」をみることは叶わずでした。
また、日曜日の入館ということもあり、
御覧の通り入場規制中。
何より海外からのお客さんが多くて、
驚きました。
流石は世界の北斎です。
結局、約1時間まちで会場入りできました。
~本展の作品をみて感じたこと~
■人や動植物、自然の「動き」がよく伝わる。
有名なこの作品
突風が絵の左下から右上方へ
舞い上がっているのがよく分かります。
後方にたたずむ富士山の悠然たる姿も
人々とは対照的です。
また、草むらの藍色と空の茜色から
日没の動きまで伝わります。
観察力と洞察力では片づけれない
北斎の特殊能力を感じざるを得ません。
■明らかな視点、視野の違い
本展示会で
富士山をもっとも遠方から描いたのはこの鳥瞰図でした。
見えにくいですが
左上方には富士山、
右上方には京都が描かれています。
人間はもはや点です。笑
北斎が描く鳥瞰図の広大さは圧巻
当然、飛行機や人工衛星のない時代
初代グーグルマップかと思いました。
北斎の圧倒的な知識と想像力、画力があって為せる技。
そして
もっとも近距離から描いた作品はこちら
富士登山中の庶民に視点を当てて描かれています。
右上方の穴倉に身をひそめる人々
登山者が下向きなところから
富士登山の過酷さがうかがえます。
当時の富士信仰、山頂を目指すには
きっとそれぞれが抱える悩み、苦悩が
あったのでしょうか。
御来光を待つ人々に自分を重ねてみたり
胸が熱くなります。
■仕掛け、メッセージ性があるらしい。
湖に浮かぶ富士山が
上下左右反転している点
雪解けの富士山が湖上では雪に覆われて映っている点
暖色と寒色な点
富士のふたつの局面を描く意味はなんだったのでしょうか。
■けっこうユニーク
「北斎漫画」の中で特に気に入ったのがこちら
(ここでの漫画は現在の意味とは違い
漫然と描いた図という意味だそうで、3000余りが収録されている)
個人技からプロレス的な技まで
中肉のおじき二人がじゃれあい、何かを競っているようです。
このぎりぎり感
どうなったら勝敗がつくのでしょうか。( ´∀` )
まとめ
知識のない初心者が
浮世絵師の巨頭
北斎・広重の作品に触れてきました。
作品に込められた想いは
時空を超えても尚、世界の人々を魅了している事を
肌で感じました。
広重の展示会に関しては
2024.7.6-9.1の期間であべのハルカス美術館にて
「広重~摺りの極~」と特別展があるそうです。
そちらでも改めて拝見させて頂きましょう。
ではでは^^