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いつもの海

休みの日
いつ雨が落ちてきてもおかしくない空はどこまでも白い

少し時間ができた昼近く
いつものように海に向かう
曇り空でも波が良いのかサーファーの車が数台

車を止めて海に向かう坂道を歩くと
ところどころに白の彼岸花が咲いていた
彼岸花というと鮮やかな赤のイメージが強いが白も良い
一面に咲いたらきれいだろうな

うっすらと紅をさしている花弁は柔らかな印象
風で揺れてブレるがまあこれもよし

ふと顔を上げると前方に坂を降りていく女性が見えた
坂を降りるとその女性はコンクリの上にちょこんと座って海を眺めている
サーファーの彼を見ているのか
ただ海を眺めにきたのか

向こうにはサーファー

砂浜に降りて海岸沿いに歩く
風の音や波の音、潮の香り、砂の感じ
遠くに見える景色、海の色
ああこの海だよなと改めて思う
やっぱりここが良い


風と波の音に混じって鳥の声がする
時々自衛隊の航空機が連なって頭の上を通り過ぎる
クラゲが打ち上げられていたり
小さなカニがいたり
波打ち際で戯れるようにちょこちょこと歩き回るミユビシギ達

砂まみれの小さなカニ
一人置いていかれたのかちょっと変わり者なのか
やわらかなフォルムのシーグラス

いつもの場所
いつもの景色
いつもの匂い
いつもの音
いつもの感覚
そんな「いつもの」に安心し救われている

張り詰めていたものが少しずつ緩んでいく
気が済むまで波打ち際を歩いたらまた引き返す

ヤシノミも




色んなことがばーっと押し寄せて
全然処理能力高くないからすぐ混乱して
何ひとつ片付かないのに疲ればっかり一人前で
つくづく自分が嫌になったり情けなくなったり
ずっと頭痛いし首や肩もガチガチだし
そんな時に限って仕事激詰まりで
次の休みはまだまだ先だったり
もう絶望しかない
みたいな

そんな時

みんなはどうやって力を抜いてるんだろう

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