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加藤哲夫先生との思い出
2年ぶり参加のゴルフコンペで病気を報告
加藤哲夫ゼミのOB・OG会によるゴルフコンペ「哲門杯」には、2015~2017年の間は、定期的に参加。その期間で、スコアが良化したこともあり、先生からは「上手くなったな」とお褒めの言葉をかけていただいた。
ところが、そんな折に私は「うつ病」に罹患し、2018年2月から約1年休職した。ゴルフのラウンドはおろか、練習に行く気力も失い、大したものではなかった腕前は、一気に衰えた。それでも、2019年11月には、2年ぶりにコンペに参加。社会復帰後も心身ともに万全ではなかった中、自分でもなぜ出席できたのか分からない。結果的に、それが先生とお会いした最後の場となってしまった…
ラウンド中は、幸運にも先生と同じ組となった。たしかカートで移動中に、うつ病を患ったこと、休職したこと、編集部から外れたことを報告した。先生からの反応は「そうだったのか…無理するなよ」といった旨だったと記憶している。
「友よ!疲れたら休め。彼らはそう遠くへは行くはしまい」
その1年半後の2021年4月。私は報知新聞社を退職。加藤先生にはメールで報告した。返信には、先生が「大好き」という言葉が記されていた。
「友よ!疲れたら休め。彼らはそう遠くへは行くはしまい」
この言葉の後には「自分だけが悩み、苦しんでいるのではなく、ふと横を見たら、仲間の誰もが悩み苦しんでいるのがわかる。だから、3か月後、1年後の微笑んでいる自分を想像しながら、ゆっくり少しずつ前に進んでいこう」と続けられていた。本当にありがたい文面に、胸と目頭が熱くなった。
メールでやり取りを交わしたのは、ちょうどコロナ禍だった。だからこそ「再会を楽しみにしています」と最後に添えられていたが、再びお会いする機会が訪れないまま、先生は旅立たれてしまった。(つづく)