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本屋大賞2023年1位~10位の本、著者を紹介

今回は2023年本屋大賞の本と著者、著者の他の本を紹介します!




1位「汝、星のごとく」凪良 ゆう

講談社 (2022/8/4)

内容紹介

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。



ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。



風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。

ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。



ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

著者紹介

【凪良ゆう(なぎら・ゆう)】
京都市在住。2007年に初著書が刊行され本格的にデビュー。BLジャンルでの代表作に連続TVドラマ化や映画化された「美しい彼」シリーズなど多数。17年に『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。19年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。同作は22年5月に実写映画が公開された。20年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。本書は、第168回直木賞候補、第44回吉川英治文学新人賞候補、2022王様のブランチBOOK大賞、キノベス!2023第1位、そして23年、2度目となる本屋大賞受賞作に選ばれた。


著者の他の本

「わたしの美しい庭」
ポプラ社 (2021/12/7)

小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。

百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。

三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。

地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。

悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――



「神さまのビオトープ」
講談社 (2017/4/20)


「幸せ」のあり方を問う作家・凪良ゆうの原点がここに!



世の中は秘密だらけで、それでもなんの不都合もなく回っている

誰かに迷惑さえかけなければ

いろんな幸せのかたちがあってもいい。

それが歪なものなのかは誰にも決められない。

だってその人にぴったり合えばそれはもう歪なものではなくなるから。



どうしてもこの本を読んで欲しいーー紀伊國屋書店梅田本店 小泉真規子



夫の幽霊と暮らすうる波を取り巻く、秘密を抱えた彼ら。

世界が決めた「正しさ」から置き去りにされた人々へおくる救済の物語。


うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは? 機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。


2位「ラブカは静かに弓を持つ」安壇美緒

集英社 (2022/5/2)


内容紹介

武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。

『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。

ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。

目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。

橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。

師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……


著者紹介

安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。

著者の他の本

「金木犀とメテオラ」
集英社 (2022/2/18)


北海道の女子校を舞台に描く直球の青春長編

私が中学生の頃にこの作品と出会っていたら北海道の女子校に通う世界線を夢想していたと思うんですけど中年の今になってもやっぱり憧れながら読んでしまいました──。──志村貴子さん「カバーイラスト」(漫画家)

12歳の春。東京出身の宮田佳乃は、家庭の事情で北海道にある中高一貫の女子校に入学する。しかし、秀才でプライドが高い彼女には、受け入れ難い進路だった。一方、地元出身の奥沢叶も、新入生総代に選ばれるほどの優等生。パッと目を引く美少女で誰もが羨む存在だが、周囲には知られたくない〝秘密〟があり……。思春期の焦燥や嫉妬、葛藤をふたりの視点で描く、青春長編。スピンオフ短編も収録。


「天龍院亜希子の日記」
集英社 (2020/2/20)

「現代の風を強く感じさせてくれる。作家の才能プラス、何か見えない力を背負った書き手だ」(小説すばる新人賞選評より)五木寛之氏推薦!
平凡な男を勇気づける希望の光──。

人材派遣会社に勤める田町譲は、元野球少年の27歳。問題だらけの職場で奮闘しつつも報われず、恋人とも煮えきらない。惰性的な日々を送る彼は、ひょんなことから小学校の同級生「天龍院亜希子」のブログを見つける。派手な名前とは裏腹に地味な女の子だった彼女のブログに綴られていたこととは──。20代、30代の姿をありありと描く、希望へ向かう長編。第30回小説すばる新人賞受賞作。


3位「光のとこにいてね」一穂 ミチ

文藝春秋 (2022/11/7)


内容紹介

第30回島清恋愛文学賞受賞、第168回直木賞候補作、2023年本屋大賞第3位
刊行以来、続々重版。大反響、感動、感涙の声、続々!
令和で最も美しい、愛と運命の物語

素晴らしい。久しぶりに、ただ純粋に物語にのめりこむ愉悦を味わった。
さんざん引きずり回された心臓が、本を閉じてなお疼き続ける──そのまばゆい痛みの尊さよ。(村山由佳)

まぶたの裏で互いの残像と抱き合っていた二人のひたむきさが、私の胸に焼き付いて離れない(年森 瑛)

――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった――

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。

彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。

どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

――二人が出会った、たった一つの運命
切なくも美しい、四半世紀の物語――


著者紹介

一穂ミチ
関西大学社会学部卒業後、同人誌で二次創作の小説を書く中で編集者から声がかかり、2007年に『雪よ林檎の香のごとく』(タイトルの由来は北原白秋の短歌)で雑誌デビュー。2008年に書籍化。以後BLジャンルを中心に活躍する。代表作『イエスかノーか半分か』は2020年にアニメ映画化されている。

2021年『スモールワールズ』で一般小説デビュー。直木三十五賞や本屋大賞など多くの文学賞の候補となり、注目を集める。『スモールワールズ』で第9回静岡書店大賞、第43回吉川英治文学新人賞を受賞。2022年度咲くやこの花賞受賞。2024年『ツミデミック』で第171回直木三十五賞を受賞。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E7%A9%82%E3%83%9F%E3%83%81


著者の他の本

「ツミデミック」
光文社 (2023/11/22)

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」  調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」  先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。


「スモールワールズ」
講談社 (2021/4/22)


【2022年 本屋大賞ノミネート】
【第165回直木賞候補作】
【第9回静岡書店大賞受賞】
【キノベス!2022 第4位】

最終話に仕掛けられた一話目への伏線。

気付いた瞬間、心を揺さぶる、鳥肌モノの衝撃が襲う!!

読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々!

「驚きの完成度!」――瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より)

「BL界の鬼才恐るべし」――北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より)

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。



4位「爆弾」呉勝浩

講談社 (2022/4/20)


内容紹介

◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎

東京、炎上。正義は、守れるのか。

些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。

たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。

直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。

「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。

警察は爆発を止めることができるのか。

爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

著者紹介

呉勝浩(ご・かつひろ)
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年、『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、’19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。他に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。


著者の他の本

「白い衝動」
講談社 (2019/8/9)

小中高一貫校でスクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高校1年の生徒・野津秋成は、ごく普通の悩みを打ち明けるように、こう語りだす。

「ぼくは人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」

千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。入壱は、複数の女子高生を強姦のうえ執拗に暴行。それでも死に至らなかったことで、懲役15年の刑となり刑期を終えていた。

「悪はある。悪としか呼びようのないものが」

殺人衝動を抱える少年、犯罪加害者、職場の仲間、地域住民、家族……そして、夫婦。

はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。

社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた渾身の書き下ろし長編。


「おれたちの歌をうたえ」
文藝春秋 (2023/8/2)

幼馴染が遺した暗号、隠されているのは、金かそれとも……

河辺のもとにかかってきたある電話。思い出すのは封印していた真っ白な雪と死体。あの日、本当は何があったのか? 大河ミステリー。



元刑事の河辺は、音信不通だった幼馴染の佐登志が死んだ知らせを受ける。彼が遺したのは、暗号めいた伝言。友からの謎かけに、河辺には封印していたはずの苦い記憶がよみがえる。40年前、故郷で巻き込まれたある事件――。追われるように都会に出た彼らが、歩んできた人生とは? かつての悲劇に迫る、大河ミステリー。


5位「月の立つ林で」青山 美智子

ポプラ社 (2022/11/7)

内容紹介

似ているようでまったく違う、
新しい一日を懸命に生きるあなたへ。

2021年、2022年本屋大賞2位!
『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。

月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

最後に仕掛けられた驚きの事実と
読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、
心震える傑作小説。


著者紹介

青山 美智子
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『猫のお告げは樹の下で』が第13回天竜文学賞受賞。『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』で本屋大賞第2位に選ばれる。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』、『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』『いつもの木曜日』など。


著者の他の本

「赤と青とエスキース」
PHP研究所 (2024/9/10)


2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作! メルボルンの若手画家が描いた1枚の「絵画(エスキース)」。日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。2度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

 ●プロローグ 
●一章 金魚とカワセミ メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。 
●二章 東京タワーとアーツ・センター 30歳の額職人・空知は、淡々と仕事をこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。 
●三章 トマトジュースとバタフライピー 漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画のため、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。 
●四章 赤鬼と青鬼 パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がきて……。 
●エピローグ 水彩画の大家であるジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

「猫のお告げは樹の下で」
宝島社 (2020/6/4)

『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞を受賞した青山美智子の2作目が待望の文庫化。

失恋のショックから立ち直れないミハルは、ふと立ち寄った神社で、お尻に星のマークがついた猫――ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かり、「西向き」のマンションを買った少し苦手なおばの家を訪れるが……。中学生の娘と仲良くなりたい父親。なりたいものが分からない大学生……。なんでもない言葉をきっかけに、思い悩む人たちの世界がガラッと変わっていく――。 お告げの意味に気づいたとき、ふわっと心があたたかくなる。7つのやさしい物語です。インスタフォロワー数250万人超のミニチュア写真家・田中達也氏がカバーを手がけています。


6位「君のクイズ」小川哲

朝日新聞出版 (2022/10/7)

内容紹介

『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』。一作ごとに現代小説の到達点を更新し続ける著者の才気がほとばしる、唯一無二の<クイズ小説>が誕生しました。雑誌掲載時から共同通信や図書新聞の文芸時評等に取り上げられ、またSNSでも盛り上がりを見せる、話題沸騰の一冊です!



ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。

読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 

「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

著者紹介

小川 哲
1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。『ゲームの王国』(2017年)が第三八回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。『嘘と正典』(2019年)で第162回直木三十五賞候補となる。


著者の他の本

「ユートロニカのこちら側」
早川書房 (2017/12/6)


巨大情報企業による実験都市アガスティアリゾート。その街では個人情報――視覚や聴覚、位置情報等全て――を提供して得られる報酬で、平均以上の豊かな生活が保証される。しかし、誰もが羨む彼岸の理想郷から零れ落ちる人々もいた……。苦しみの此岸をさまよい、自由を求める男女が交錯する6つの物語。第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉受賞作、約束された未来の超克を謳うポスト・ディストピア文学。解説/入江哲朗


「嘘と正典」
早川書房 (2019/9/19)


第162回直木賞候補作品
日本SF大賞&山本周五郎賞をダブル受賞した
『ゲームの王国』の俊英・小川哲が仕掛ける
SFとエンタメの最前線たる6篇



ナチスは時の獄に繋がれ
マルクスは消失する
そして僕は

零落した稀代のマジシャンがタイムトラベルに挑む「魔術師」

名馬・スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる「ひとすじの光」

東フランクの王を永遠に呪縛する「時の扉」

音楽を通貨とする小さな島の伝説を探る「ムジカ・ムンダーナ」

ファッションとカルチャーが絶え果てた未来に残された「最後の不良」

CIA工作員が共産主義の消滅を企む「嘘と正典」(書き下ろし)

以上全6篇を収録



7位「方舟」夕木 春央

講談社 (2022/9/8)


内容紹介

「週刊文春ミステリーベスト10」&「MRC大賞2022」堂々ダブル受賞!

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。

そんな矢先に殺人が起こった。

だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。



タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。


著者紹介

夕木春央(ゆうき・はるお)

1993年生まれ。
2019年、「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞。
同年、改題した『絞首商會』でデビュー。
近著に、『サーカスから来た執達吏』がある。


著者の他の本

「十戒」
講談社 (2023/8/9)

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。

浪人中の里英は、父と共に、叔父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。

“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。

犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)国内部門&MRC大賞2022など4冠に輝き、ミステリ界を震撼させた『方舟』夕木春央、待望の最新作!


「時計泥棒と悪人たち」
講談社 (2023/4/26)

実業家・加右衛門氏へ贋物の置時計を売ってしまった事実を知った井口。

泥棒に転職をした蓮野とともに、その置時計は加右衛門氏が所有する美術館にあるという情報を得、盗むことを計画するがーー?

(第1章 加右衛門氏の美術館)

激動の大正時代を泥棒たちが大暴れ! 『絞首商會』『サーカスから来た執達吏』にも繋がる連作短編集。



『方舟』で「週刊文春ミステリーベスト10」「MRC2022」をダブル受賞し話題沸騰の夕木春央、待望の新作!

「サーカスから来た執達吏」
講談社 (2023/8/10)

密室から忽然と消失した財宝の謎。

14年前の真実が明かされる

怒涛の30ページに目が離せない。

『方舟』で注目される作家・夕木春央の本質がここにある!



「あたし、まえはサーカスにいたの」

大正14年。莫大な借金をつくった樺谷子爵家に、晴海商事からの使いとしてサーカス出身の少女・ユリ子が取り立てにやって来た。

返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出す。ユリ子と鞠子は、莫大な借金返済のため「財宝探し」をすることにした。

調べていくうちに近づく、明治44年、ある名家で起こった未解決事件の真相とはーー。


8位「宙ごはん」町田 そのこ

小学館 (2022/5/27)


内容紹介

この物語は、あなたの人生を支えてくれる

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。

宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。

全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。


著者紹介

町田そのこ
1980(昭和55)年生れ。福岡県在住。2016(平成28)年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。選考委員の三浦しをん氏、辻村深月氏から絶賛を受ける。翌年、同作を含むデビュー作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を刊行。2021(令和3)年『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞。他著書に『ぎょらん』『うつくしが丘の不幸の家』『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』『星を掬う』『宙ごはん』などがある。

https://www.shinchosha.co.jp/writer/6015/

著者の他の本

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」
新潮社; 文庫版 (2021/3/27)

思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋。

そしてともには生きられなかったあの人のこと――。 大胆な仕掛けを選考委員の三浦しをん氏辻村深月氏両名に絶賛されたR-18文学賞大賞受 賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。

すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作。その他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。

「52ヘルツのクジラたち」
中央公論新社 (2023/5/25)


52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。


9位「川のほとりに立つ者は」寺地 はるな

双葉社 (2022/10/20)

内容紹介

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

著者紹介


寺地 はるな
1977(昭和52)年佐賀県生れ。大阪府在住。2014(平成26)年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。2020(令和2)年『夜が暗いとはかぎらない』が、山本周五郎賞候補。2021年『水を縫う』が吉川英治文学新人賞候補となり、同年同作で河合隼雄物語賞を受賞する。2023年『川のほとりに立つ者は』が本屋大賞9位に入賞、『わたしたちに翼はいらない』が大藪春彦賞候補となる。他の作品に『カレーの時間』『白ゆき紅ばら』など。

https://www.shinchosha.co.jp/writer/6623/

著者の他の本

「夜が暗いとはかぎらない」
ポプラ社 (2021/6/4)

奇跡が起きなくても、人生は続いていくから。

『水を縫う』で話題沸騰の著者が贈る感動作!



大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったい、なぜ――? だが、その行動は、いつしか町の人たちを少しずつ変えていく。

いま最注目の著者が、さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。

「水を縫う」
集英社 (2020/5/26)

【第9回河合隼雄物語賞受賞作品】

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。

学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」

いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。

世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。


10位「#真相をお話しします」結城真一郎

新潮社 (2024/6/26)


内容紹介

累計50万部突破! 本屋大賞ノミネート! 日本推理作家協会賞! 各紙誌、メディア騒然の令和最大の話題作、ついに文庫化! ミステリ界の超新星が仕掛ける、五つの罠。日常に潜む小さな“歪み”を、あなたは見抜くことができるか。

島育ちの仲良し小学生四人組。あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た僕らの末路は……(「#拡散希望」)。マッチングアプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。中学受験と家庭教師。精子提供と殺人鬼。日常に潜む「何かがおかしい」。その違和感にあなたは気づくことができるか。新時代のミステリの旗手による、どんでん返しの五連撃。日本推理作家協会賞受賞作を含む、傑作短編集。(解説・村上貴史)https://amzn.to/3WZNIdx


著者紹介

結城真一郎 (ゆうき・しんいちろう)
1991年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。2018年、『名もなき星の哀歌』で第5回新潮ミステリー大賞を受賞し、2019年に同作でデビュー。2020年に『プロジェクト・インソムニア』を刊行。同年、「小説新潮」掲載の短編小説「惨者面談」がアンソロジー『本格王2020』(講談社)に収録される。2021年には「#拡散希望」(「小説新潮」掲載)で第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。同年、三冊目の長編作品である『救国ゲーム』を刊行し、第22回本格ミステリ大賞の候補作に選出される。



著者の他の本

「難問の多い料理店」
集英社 (2024/6/26)

『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が仕掛ける、
笑いあり・驚きあり・そして怖さあり……な、新時代ミステリ、ここに爆誕!!
――どなたもどうかお読みください。決してご遠慮はありません。
こんなミステリを、私たちはずっと待っていた!!

ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の僕は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。

彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、噓みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。

そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。

どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしいと。

不自然な焼死体が出たアパート火災、空室に届き続ける置き配、 謎の言葉を残して捕まった空き巣犯、なぜか指が二本欠損した状態の轢死体……。

オーナーは、配達員に情報を運ばせることで、どんな難問も華麗に解いてしまう。

そして、配達員にこう伝えるのだ。

――「もし口外したら、命はない」

「プロジェクト・インソムニア」
新潮社; 文庫版 (2023/1/30)

「聞いたことない? 夢の中で死ぬと現実でも死ぬっていう都市伝説」

睡眠障害(ナルコレプシー)のせいで失業した蝶野は、極秘人体実験「プロジェクト・インソムニア」の被験者となる。極小チップを脳内に埋め込み、”夢の世界(ユメトピア)”を90日間共有するという実験だ。願望を自在に具現化できる理想郷は、ある悪意の出現によって恐怖と猜疑に満ちた悪夢へと一変する。口径の合わない銃弾の謎。次々と消えてゆく被験者たち・・・・・・はたして連続殺人鬼の正体はーー。大胆な伏線が鮮やかに回収され、超絶どんでん返しの末に現れる驚愕の真相に、涙が落ちる。一気読み必至! 最注目の新鋭作家による、大満足の長編ミステリー。

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