【ルース・オエステ 総評】赤木剛憲&桜木花道
赤木剛憲
4番 C 197cm
得点 14
インターハイ前に接触があった大学日本一の深沢体育大学からの推薦は白紙となり、山王工業戦後に高校バスケットを引退した赤木剛憲、大学でもバスケットを続け、現在は安西が他界後に赴任した湘北高校バスケットボール部の顧問となり、再び全国制覇を目指している。トップリーグで活躍する赤木も期待されたが、受験勉強に備え引退したことや高校3年のインターハイまで全国的に芽が出なかったことを考慮すると再び、湘北高校バスケットボール部として全国制覇を目指している姿が浮かんだ。そして何より原作は、赤木剛憲が主役と言ってもいいくらい赤木のストーリーでもあり、それは大人になって原作を見返すとよりそう思える。今作品において原作を見返す中で、涙が溢れる刺さるシーンには常に赤木剛憲がいた。湘北での赤木をいい意味で、
「変えずに表現したい」と思った。それほど赤木は湘北が似合うと筆者は考えた。
それだけに桜木花道の試合への誘いも「それはお前の都合だ。こっちは全国制覇を目指している」と断りそうな赤木だったが、すんなり参加したことには、やはり「安西に勝利を届ける」という目的があることが大きい。
湘北の柱、魂として桜木とともにインサイドの要としての姿は健在、ブラジルコンビのポテンシャルに苦戦するものの最後まで立ちはだかった。
時代錯誤ともとれる桜木へのげんこつも桜木との関係性があってのこと、変わらずそのキャプテンシーを見せた。
https://note.com/tyimage/n/n751c2289bff3
その桜木との変わらない師弟関係で協力体制でリバウンドを制し、さらに勝利への執念を出し、桜木のシャムゴッドからのフィレ ル レーヴからのゴリラダンクは圧巻のシーンで、最大のハイライトとも言えるだろう。
https://note.com/tyimage/n/nd7ab68c811cd
また最終局面での、桜木がはなった言葉、
「誰に教わったと思っている」
のシーンは桜木自身が赤木へのリスペクトを表し、桜木の考えに
「一理ある」
と理解を示したシーンは山王工業戦での沢北栄治へのブロックをオマージュしたと言える。
ともあれ、変わらない赤木剛憲の姿を見せてくれた。
桜木花道
10番 PF 190cm
得点 9
高校からバスケットをはじめた桜木は、インターハイ山王工業戦で値千金の逆転ゴールを決めるが、その後は背中の怪我により離脱。初心者から急成長をとげた桜木だったがその後のキャリアは順調には進んだとは言えなかった。再び全国の舞台に戻ることなく、道が閉ざされたが、安西のツテでアメリカのストリートバスケからNBAドラフトを目指すが、指名されることはなかった。安西の他界を知り、日本帰国を決意。日本で0からのスタートを切る。
https://note.com/tyimage/n/n4874c50bd4db
宮城リョータと再会しYouTubeから地道に活動する中で、代理人を務める花形透と出会い、かつての仲間や戦友と再会を繰り返し、桜木最大のアピールの機会「デサフィアンテ」が訪れる。安西へ勝利を届けるという共通認識とともに、プロ入りへ名を売るという個人目標を抱える。
https://note.com/tyimage/n/n23de7c6bb6b9
序盤は、福田に圧倒される宮城のサポート役も担う等、頼もしさを見せる。前半戦、最大のハイライトはリハビリ中の病院で出会い約束を交わした中道紡希のアイディア、特訓からあみだした「フィレ ル レーヴ」である。滞空時間の長いジャンプと片手でボールを掴める分、相手の逆の選択をとることができるというものである。三井のマークが厳しくなる中、桜木中心に攻めると中道監督の指示で流れを変えた。
https://note.com/tyimage/n/ne5b30acdcda3
後半戦は、流川楓との再会も当時同様のライバル意識を剥き出しにしたが、お互いの実力を認め、アシストする等、変化を見せた。
https://note.com/tyimage/n/n8577882ba111
第4クォーター終盤戦、覚醒したベノンに流れを持っていきかけるが、持ち前の身体能力、スタミナで応戦。最大の武器であるリバウンドの流れからの速攻で、安西からの宿題であるシャムゴッドを成功させ、紡希との特訓であみだしたフィレ ル レーヴで赤木へのアシストを決め流れを断った。多くの伏線を回収する圧巻のプレーであった。
終盤戦の桜木は勝負勘が冴え渡ったが、ルース・オエステ全員への信頼がその選択に結びついたのは間違いない。恩返しとも言えるのかもしれない。ラストは赤木に教わったリバウンドでエアバトルを制して勝利を飾る。
安西光義の遺影を誇らしげに掲げ、勝利を報告する桜木花道の姿は、絵に浮かぶようだった。
そして、桜木は紡希との約束であった流川とのハイタッチは、おあづけにし、
「まだ 始まったばかりだ!! 今日はこれで我慢しろ!!」
と監督を胴上げするのだった。
ルース・オエステーボアノイチ
「デサフィアンテ・エキシビションマッチ」
86ー85
得点 スリー
赤木剛憲 14
桜木花道 9
宮城リョータ 9
清田信長 10
三井寿 26 8
流川楓 18 2
(86)
ファント・ガルサ 12
セバス・ベノン 15 2
ダニエル・シルバ 16 3
福田吉兆 22 1
藤真健司 20 3
(85)
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