#4 自分のために、自分勝手な創作を
ジブリ映画「耳をすませば」では、主人公・雫が人生で初めて書き上げた小説を、地球屋店主の西老人に読んでもらうシーンが印象的である。
街灯り煌めくベランダで、ありがとう、とてもよかった。と評する西老人に、雫は泣きそうになりながら、自らの不出来な作品に対する否定の言葉を重ねていく。
「そう、荒々しくて率直で、未完成で。聖司のバイオリンのようだ。」
「よくがんばりましたね。あなたはステキです。」
「慌てることはない。時間をかけてしっかり磨いて下さい。」
西老人はそのように言って笑った