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『「プロレススーパースター列伝」秘録』有名人が漫画に出る事によるイメージ定着

原田久仁信 著『「プロレススーパースター列伝」秘録』を読みました。
週刊少年サンデーに連載され大きな人気を博した、梶原一騎原作「プロレススーパースター列伝」の絵を担当した若き原田先生の青春録。そのあまりに大きな背中と大きな度量の原作者への憧れを胸に一心不乱に描き続けた想いが情景が浮かぶ程に一生懸命な熱で綴られていると共に、梶原先生の逮捕と共に訪れた連載終了が突然で、切ない。

世代ではないが、那須川天心vs武尊の機運が高まっていた時期に界隈で散々ネタとして擦られた「ゴ、ゴッチさん!!」の秘話は興味深く拝見。

ゴッチを「タケル」に変換して猪木=天心が涙

プロレスに限らず、実在の人物を漫画のキャラクターとして、虚実入り混じって描く事で、描いてある事象が本当にあった出来事だ、あの人はあんな人なのかと勘違いしてしまうのは自分にも心当たり有り。自分世代では河合じゅんじ先生の「クワタくん」(マツイくんの頃)のせいで、小学生の頃は桑田真澄は強欲で金に汚いと本気で思っていた節がある。実際は怪我にも負けずにメジャーリーグの土を踏み、体育会系指導は駄目だと提言して、勉学に励み東大に合格して、息子の進路とアイデンティティを肯定して、、と大変な人格者であったのに。良くも悪くも漫画の弊害だ。なお、キヨハラくんは当時からジャイアンツで番長ムーブをかましていたので違和感があった。

芸能人が一つのクラスに集まり、生徒役で出てる作品も多かった。
大体、安室奈美恵が主人公で、篠原ともえがイメージそのままで当て書きされて、キンキキッズがどこでもBLぽかった。顔色の悪い小室哲哉が風で飛ばされて華原朋美が泣け叫んでるのもあったモーニング娘。の中澤が風呂でしわしわになってるコマもあった。これ全て小学館連載。

良くも悪くも誰でも反応できる現代。
こういうの今、描けるのかなとも考える。

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