自衛隊には、早く着替える訓練がある。
その名も「早着替え」。
なんでこんなとこをするのかといえば、
いざという時に素早く準備できるようにするためである。
そのいざとは、敵の飛行機が攻めてきた時である。
ウソでしょって感じかもしれないが、マジである。
実はロシアや中国の戦闘機は日本の領空をフラフラ飛行してくることがよくある。
この一つ一つに対応する必要があるので、結構な頻度でスクランブル発進の必要がある。
そこで、われわれは早着替えをして素早く動けるように準備しておくのである。(えっへん)
訓練だからといって、特殊なことをしているわけではない。
本当に、ただただ早く着替えることを目的にしている。
基本は
迷彩→ジャージ→制服→迷彩
などを各5分でこなさなければならない。
簡単に見えるかもしれないが、ただ着替えれば良いと言うわけではない。
迷彩はグレー、制服は白のインナー、ジャージ自由
迷彩は黒、制服とジャージは白の靴下
迷彩とジャージは共通の名札を付け替える。
などの細かいルールが存在することに加えて、靴も指定がある。
約50全員が完璧な状態で集まって、点呼まで完了するのに分以内。
かなり厳しい戦いになる。
さらにやっかいなのは、迷彩服には服装としてパターンが2つあるということだ。日常的な迷彩に加えて乙武装(おつぶそう)という、いわゆる戦闘状態を想定した服装も存在しており、これになるとヘルメット着用に加えてブーツになる。
やってる時は、無意味だと思ったけど頭の中で順序立てて組み立てる能力?くらいは身についたんじゃなかろうかと思う。
カッコ良さそうなパイロットも、こんなおもしろ訓練を乗り越えているのである。