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SIDE TRACK(サイド トラック)

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トゥーヴァージンズ発の新たな連載メディアです。 本線(本来の道)とは別の“もうひとつの道”。 そんな脇道にふと入っていった先に、 まだ見ぬ言葉や文章、景色との新たな出会いがありま…
運営しているクリエイター

#わかしょ文庫

第21回 残像に手を伸ばす

インターネット・サーフィンをしていたらNHKニュースの切り抜き画像が流れてきた。それは十年…

第20回 わたしかわいい

自分の外見について書くとき、必要以上に「醜い」側に倒して描写しているな、という自覚はあっ…

第19回 さよならだけが人生か?

大相撲のパンフレットがあるんだけどいる?と連絡をもらって画像を見たら、表紙が元大関の貴景…

第18回 わたしは見ていた

のろくさとプールからあがり、ここも剃っておかないとだめだったか、と思いながら水の滴る自分…

第17回 存在しない夏 ’24

この連載ではエッセイを書くことになっている。実際に起きた出来事をもとに筆者の所感がまとめ…

第16回 ベイビー、強く抱きしめて

百円玉の乗った手が脳裏に焼き付いて離れない。男のものにしてはほっそりしていて、女のものに…

第15回 明日に向かって祈れ!

みんな、休日はどう過ごしているの? ずっと気になっているよ。特に、わたしと仲良くないひとは、どう? わたしの話し方が悪いのかもしれないが、全く心を開いてくれないひとが一定数いる。「お休みの日は何をしているんですか?」と尋ねても、のらりくらりとかわされて、挙げ句の果てには嘘までつかれて、絶対に本当のことを教えてくれない。週末のすべてを賭したくなるほど、あんたが魂の奥底から愛していて、あんたの魂の奥底を愛してくれるものについて、ぶちかましておくれよ。ヘイ、カモン! バッチコイ! 

第14回 さやけき園

高校の同級生で落語家になったひとがいて、真打に昇進することが決まったらしい。すごいことだ…

第13回 ムイシュキン

この文章は、筆者による世直しの提案である。私事で恐縮だが春から勤務地が変わり、著しく混雑…

第12回 天使と尼僧

「『ブッダ』を繰り返し読んでいたせいで、輪廻転生の考えが染みついてしまって、だからクモを…

第11回 主よ、人の望みの喜びよ

友人がなか卯の「天然うにいくら増し増し丼」を激賞していた。これまで、わたしから友人にセブ…

第10回 灰色の雪

およそ半世紀もの間、社会に潜伏して市井の人として生涯を終えたテロリストは、ジェームス・ブ…

第9回 涙が出ちゃう

「楽しいことがない」とあなたは言う。笑いながら、冗談めかしてだけど、それは実感のこもった…

第8回 服と沼

服がなかなか捨てられない。二千円でおつりが来るカットソーを、襟元が伸びてびろびろになってもまだ着られる気がして、結局八年着た。もとを取っているどころか、ユニクロから感謝状をもらってもいい気がする。擦り切れて毛玉だらけになっても、「まだ着られるか?」と思ってしまい、致命的にばらばらになって身に着けられなくならないと捨てる決心がつかない。   くたびれた服を着ているとなめられることがあり、なめられるとめっちゃむかつく。だからといってまだ着られると思うと捨てられない。罪悪感もあるし