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男女の泥沼に恐怖した美容師

6月に死んでいる毛先を切り落としてきたにも関わらず、まだ元気だと言われて残していた毛も引っかかって切れ毛になってきた。

髪の伸びるスピードがとんでもなく遅いはずが、5センチほど切った分が元に戻っているくらいには伸びていた。この2ヶ月で。

だから切ってしまおうと思い立ち、美容院へ行くことにした。でも毛先だけ切るのに何千円も払うのはアホらしいと思って、死ぬまでにやりたいことリストに入っている「サイドを刈り上げる」というのをやってしまおうと思った。

思い立ったらすぐに行動するタイプのため、即座に予約できるところを探して行くことにした。そこは以前も一度だけ行ったことがある美容院だった。

アシスタントがおらず、完全に代表が一人でやっているところである。その人はラフな感じで最初にどういう髪型にしたいかを聞いたらあとは容赦なくジャキジャキ切る。合う人合わない人分かれるだろうなと思う。

サイドを刈り上げたいことを伝え、どの高さからにするか、どれくらいの短さにするかを話終えると、バリカンを取り出し、「じゃあやりますね」とも言われずにバリバリと刈られていくもみあげ。音がバカデカくてビビった。

初めてだし、とりあえず男性がよくやるツーブロックの長さくらいにした。「うわ〜〜!!!ない!わ〜〜!!」としか言えない生き物になっていた。美容師さんは苦笑していた。

刈られた後にウルフ部分を整え、毛先を10センチ弱切り、胸まであった髪の毛は鎖骨を越えるあたりまでになった。縛れる長さだし、死んでいる部分がなくなって満足。

と、ここで話は終わりではなく、本題に入る。

その美容師さんは先述した通り、ラフな感じのためよく言われる「この後予定あるんですか?」などという定形文のようなことは言わない。

むしろ、一人でやっていることもあってか、完全にマンツーマンの空間で色々なお客さんから聞いた話などに行き着いて話をしてくる。その日、衝撃を受けたものがあった。

いかにも仕事できますみたいな女性が来て、淡々と不倫をしている話をしたらしい。よく聞くやつかと思っていたら、内容が「不倫相手の子どもを孕んで、さっさと別れた」といったもの。

女性側が独身、男性側が既婚者である。身籠もってから中絶をするでもなく、振られたのでもなく、サッと別れたらしいと。驚いていたところ、さらに追い討ちをかけるように、

「”強制認知”っていうのがあるみたいで、弁護士を雇ってそれをやると結婚をしていなくても相手側の戸籍に妊娠した子どもが載るんだって」

と言った。様々な人を接客してきた美容師さんも、当たり前に私も初めて聞いた言葉で、何故その女性がそういったことをしたのかは分からなければ、女の私でもそ考えに行き着くのが何故なのか全く分からなかった。
「妊娠したのに既婚者だということを隠されていた、ふざけるな」といった復讐のような形ならまだ分かるけれど…

強制認知とは、父親に任意に認知してもらえない場合に、父の意思に関わらず、裁判所によって認知を認めてもらう方法のことをいいます。

強制認知をする場合は、父親の住所地を管轄する家庭裁判所に、まずは「認知調停」を申し立てます。
調停では父親と子供の親子関係を客観的に証明する必要があり、DNA鑑定が有力な証拠となるでしょう。調停で話がまとまり、父親が認知することに合意したら、合意に従った審判がなされます。

調停が不成立となったが、それでも認知させたい場合は、裁判所に認知の訴えを提起します。 裁判ではDNA鑑定などの証拠がなにより大切となります。証拠を基に父親と子供の父子関係を主張・立証していく必要があります。

弁護士法人ALG&Associates HPより

初めて調べた。この四字熟語。こんな面倒なやり取りをせねばならないのに、サッと別れて実行しようと動いているであろう女性。一周回ってすごい。

「本当に淡々と話してきて怖かった」と言う美容師さん。男性目線でもあるし、そりゃそうだ。私だって怖いと思った。身籠もったその子の人生はどうなっていくんだろうなどと余計なことまで考えてしまったし。そもそも不倫は簡単にするものではないよ。

私の知らない知識はごまんとあるけど、まさかそんな話が身近にあるだなんて。髪型を変えたスッキリ感と、男女の泥沼物語は果てしなく、世の中には色々な人がいると言うが、本当にそうなんだなと改めて実感した日であった。

読んでくださりありがとうございました。
また来週!

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