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自分の機嫌は自分で取る

あの時の反応がよくなかったんじゃないか。あの時の行動が間違っていたんじゃないか。思考がどんどん悪い方に向かっている。よくない。よくない。呼吸が浅くなっている。

そうだ、髪を切ろう。当日予約が取れる美容院が近所にあってよかった。向かう途中、気分転換になればとカメラをカバンに入れた。家を出るとちょうど小雨。傘はいらないレベルだけど、カメラは濡らしたくない。フードをかぶる。思考はますます悪い方へ。結局1枚も撮らずに美容院へ向かった。

ちょきん!

2ヶ月前に初めて行った場所。美容師さんは同じ方で、多分店長さん。ドアを開けて入ると、私のことを覚えているような柔らかい表情で迎えてくれた。「前回から2ヶ月経ったので伸びた分を切って欲しいです」と伝えると、「少し襟足が重い印象だから、前回よりもう少し軽くしてみてもいいですか」と提案された。カルテに書いてあるにせよ、私のことも髪型のことも覚えているなんてすごいなと思った。接客業だとしても、素直にすごい。美容院の帰り、雨は止んでいた。 

切り取り線

セイコーマートで、週末によく飲んでいるスパークリングワインを手に取った。昨日も今日も恋人とあまり会話をしていなかったから、話したかった。私がぐるぐるしているように、恋人もぐるぐるしているように見える。自分からきっかけを作ろうと思った。買ったワインをそのまま抱えていたので、帰り道も写真は1枚も撮らなかった。でも気持ちは少し軽くなっていた。

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以前、私は1人の美容師さんに15年以上髪を任せていた。1〜3ヶ月に1回のペースで通っていた。その15年の間に気づいたのは、2ヶ月以上期間が空くと、ひどく神経質になり、今日のような悪い思考に陥りやすくなることだった。だけど、ある出来事でその美容師さんに不信感を抱いてしまい、それ以降は近所の美容院を転々とするようになった。いつの間にか、美容院はそれほど重要ではないと思うようになった。

でも改めて思ったのは、美容院は重要だということ。確かに、行き慣れていない美容院は緊張する。シャンプー台では息が詰まりそうだし、マッサージも気持ちよくないし、会話はしたくないし、鏡に映る自分の姿を正面から直視したくない。だけど2ヶ月以内に美容院に行くことで、不安定な精神状態になる日が1日でも減るのなら、今後も美容院に行こうと思う。「自分の機嫌は自分で取る」って、こういうことなのかな。

「病んでいる暇なんてない」よく言い合う言葉。でもそれは、お互い元気な時だから言える言葉。毎日焦っている。毎日闘っている。いや、甘えている時間なんてない。今日を100点満点だと言えるようにするには、動画をアップするしかない。素材は揃っている。もう午後だけど、やろう。やるんだ。

18時を少し過ぎたけれど、YouTubeに動画をアップすることができた。集中していた。夢中だった。今夜、ワインを飲みながら恋人とこの動画を見て、何か届くものがあるんだろうか。少しでもお互いのぐるぐるが取り除けるんだろうか。一緒に見るときは緊張するけれど、そこで引いたら何も進まない。止まっている時間なんてない。

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