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【私の読書3】日出る国の工場

『日出る国の工場』村上春樹 / 安西水丸

作家の村上春樹氏と画家の安西水丸氏がタッグを組み、1986年1月~8月にかけて日本各地の工場を訪問し纏めたエッセイとなっています。
エッセイは『京都化学標本』・『小岩井農場』・『アデランス』等々…7作品が収録されています。

この数年(といっても結構前からだと思いますが)大人の社会科見学をテーマにした工場見学のツアーが多くあり、この作品は取材という形とはいえど、そのはしりなのでは?と感じています。

個人的に結婚式場を工場にカテゴライズした発想は面白いと感じました。

もちろん、言うまでもなく、結婚式場は正確な意味での「工場」ではない。
しかしながら何組かの新婚夫婦が順次送り出されていくプロセスを事細かに眺める機会をお持ちになったとすれば、それを「工場」というカテゴリーの中に収めることに恐らく反対なさらないのではないかと思う。
『日の出る工場』より

結婚式場で着目すると、いわゆる工場の原料は新郎新婦であり、式場スタッフの専門的なノウハウ、サービスを加える事で、式典(セレモニー)を通して感動を呼ぶ商品が提供される。という流れかなと感じました。

この事をエッセイ冒頭に説明されていて、そういう発想は無かったなと強く印象に残りました🤔

このnoteの最初にも書いた通り30年以上前のエッセイなので、今は無いであろう工場も含まれています。
(正確に言うと国内ではなく海外に移しているケースもあり!)
読み進めてみると、当時の日本社会の雰囲気を少し掴めるかなと思います!

最後に!作品の挿絵は安西水丸氏が担当していますが、個人的に凄く好きなデザインです。
それを見ながらエッセイも楽しめると思うので、
ゼヒ読んでみて下さい🙇🙇

『日出る工場』より
『日出る工場』より

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